2016年01月21日

ヤギとの暮らし 草刈り編

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飼いヤギの粟子(あわこ)と黍太(きびた)の餌やりは
6歳の長女の仕事にしている。

でも、いつも気持ちよく餌やりするわけでもなく
だいたいは後回しになる。

特に朝、寒いから嫌だとか、お腹すいたから嫌だとかで
午前中にちゃんと餌やりができない。

せっかく無言の行をやっているから、毎日うるさく言いたくないし、
でも言わなかったら昼すぎまでヤギたちはお腹をすかせているしで
毎日相変わらずの試行錯誤だった。


そんな折、私の母が数日間滞在して
長女の餌やりに付き合ってくれた。

長女にしてみたら、ばぁばと念願のデートなわけで、
ついでに自転車の練習も見てもらいながら
ご近所へとウキウキ草刈りへ出かけていった。

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(サンタさんの配慮でペダルなしの自転車・・・)


いつもなら1回の草刈りで1回の餌やり分(かそれ以下)しか
刈ってこなかったのだけど、働き者のばぁばが

「刈れるときにどっさり刈っておいたらええがねー
 明日、楽できるやろう〜」

と当日分以上、翌日分もすごい勢いで一緒に刈り集めてきた。

翌朝はつくばに思いがけず初雪が降り、
草刈りに出かけるなんて到底無理で、
ばぁばの先見の明に感嘆したものだった。
 

以来、前日の午後、まだ明るい暖かいうちに
翌朝分の草刈りを済ませておくことにした。

長女のヤギの餌やりは、ちょっと楽になった。
朝は(まだ、毎回朝食前とはいかないまでも)
外に出て、餌をあげるだけで済むのだから。


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冬になり、草があちこちで枯れ始めると
草刈り候補地はどんどん少なくなっていく。

季節どおりに枯れていく雑草のスケジュールとは別に
土地ごとの草刈りのタイミングで、秋から芽生えが始まったところが
今まさに草刈り最適地になっている。

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だいたいの土地(空き地)は除草剤をたっぷり、入念にかけるので
春や夏、見た目に草が青々と茂っていても、
ヤギには与えてはいけない場所も多いのだ。

あの地主さんは除草剤派、この地主さんは放っておいて草刈りだけ、
などと畑への行き帰りにきちんと把握していかないといけない。
(あと、空き地でも絶対に入ったらダメな地主さんも)


JA推奨のモンサント社の除草剤「ラウンドアップ」が一番有名で
日本の農家、おじいちゃんおばあちゃん、おじさんおばさん、
かなりの割合で使っているそうなんだけど・・・

諸外国でどんどん販売禁止になっているこのラウンドアップ、
利権がらみ?アメリカ企業の奴隷?国策?日本は相変わらず・・・
宣伝ばんばん、店頭でも大人気で、恐ろしい。

「売れるから」「推奨だから」で店頭に並べる、売り手のモラルが怖い。
持続可能性を軸に商品を揃えるホームセンター、生まれないかなぁ。

買い手も何も考えないで、CMでやっているから、店頭で山積みだからと
安直に買うのは、農薬に限らず食品でも何でも、無責任だよなぁ。


・・・ヤギの餌やりから横道にそれたけど、
ネガティブなことばかり言ってないで(絶望したくなるしね)、
ポジティブなことを少しずつ、積み重ねていこう。

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この日は大きな袋にバケツ3杯分の刈り草をぎゅうぎゅう押し込み、
さらにビニール袋1つにバケツ2杯分、
仕上げにバケツ1杯の草を刈って、おしまい。

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「その葉っぱ、なんで1本ずつ刈るの?
 根元から一度に刈ればいいじゃない?」

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「あのね、あわこは贅沢だから、おいしい葉っぱしか食べないの。
 わざわざ刈ってあげて残されるとイヤになっちゃうでしょ?
 だからおいしいところだけ選んで取ってるの。」


うわー、贅沢ものだねぇ。丁寧にありがとうねぇ。
長女は意外なほど、草刈りにポリシーが増えていた。



環境関連記事:自然環境を考える絵本 逃げてと言ったところで 野の花散歩
ヤギ関連記事:ヤギとの暮らし 粟子の嫁入り 黍太初登場(蜂に刺されたら…)



* * * お知らせ * * *

つくし農園、今週末の臨時集合日のお知らせをアップしています。
昼食など準備がありますので、出欠連絡はどうぞお早めに〜



* * *  まかない日記 * * *

現時点で最高得点を記録した車麩の唐揚げ。
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これまでは、戻した車麩におろしにんにく&生姜、
醤油とお酒をベースに下味をつけて片栗粉をまぶして揚げていましたが
今回のは、車麩を戻すところから違う。

何を漬けても美味しくできて重宝している、
山形の三吉麹屋さんの玄米麹漬けの素
(どうも商品名は「玄米粕(漬物の素)」なんですが)。

これが野菜を漬けるたびに水分が増えてしまい、
手持ちの米麹を足して調整したり、水分だけ味噌汁や料理に使ったりと
何とか調整してきたのですが、どうにもたぷんたぷんに・・・

そこで、乾燥したままの車麩を何枚か漬けこんで
玄米麹漬けの旨みたっぷり〜、の水分を吸ってもらいました。

ひと晩おいて、別容器に軽く絞り(料理に使います)、
ほどよく締まった車麩を切って、おろし生姜、にんにく醤油をまぶし、
片栗粉をまぶして揚げたときの衝撃といったら・・・!

揚げたてをサクッ!旨みぶわぁ〜!肉汁じゅわ〜!
「何これ!?もう肉いらないじゃん!!」と夫婦で大盛り上がり。

お皿に盛りつけるなりどんどんなくなってしまったので
台所の写真しか残りませんでした〜〜。
posted by miya at 09:03| Comment(0) | 環境 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年08月10日

逃げてと言ったところで

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 もうすぐここは薬が撒かれて
 みんな死んでしまうんやから。

 早く他のところへ逃げなー。

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つくし農園としてお借りしている土地の一部エリアが
地主さんのご意向があって、慣行農の畑に戻ることになった。

執着しても仕方がない、と秋から何度も聞かされた。
人様の土地をお借りしている以上、そういうことは当然だと。

ここ数年、特に豊かになってきたその畑を
夫は更地に戻すべく、全て刈り払い、刈り草を運び出し、
最後にはトラクターで耕して地主さんにお返しする。
(詳しくはこの記事にも書いてあります)

私のにんじん畑も、
夫の草刈り機で全面を刈られたあとは
土を両手で掘り返すだけで簡単に出てくる。

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このあたりは、手でほわほわと掘れるくらい、
柔らかくて豊かな土になっている。
それもここ2年ほどでぐっと豊かになったとのこと。

土を動かすたびに
無数の小さな生き物たちがわらわらと逃げまどう。
アリよりもずっと小さな、砂粒みたいな微生物や
それ以上に小さくて目に見えない数多の生命。



羽のある虫たちは既に棲みかが壊されて、きっと逃げただろう。
足のある虫も、トラクターの地響きを感じて逃げると思う。

でもミミズはトラクターでひとたまりもないだろうし、
土の中の微生物はきっと、土壌消毒で死んでしまう。



慣行農を敵視するわけではない、と書くと心に対して嘘になるけど
間違いなく、折々に、慣行農の恩恵を受けてここまで生きてきた。

だからこんなときに片側に立ってもう一方を指差すことは
ちょっと卑怯だろうな、という後ろめたさがある。


ただ、目の前のふかふかの土と、無数の虫や小動物が
これから消えるのだという確定した未来に、

32歳にして、やっと自分ごととして、
慣行農のしてきたこと、父の勤める農協や農業界のこと、
津波のように自分の中に押し寄せてきた。


土を掘り、ニンジンを拾い集めながら
ずーっとずーっと考えた。


農家さんが野菜を作るのは、お金になるから。
農協が農薬や肥料を売るのは、お金になるから。
企業がそれらの商品を売るのは、お金になるから。

自然農を否定されるのは、お金にならないから。
収穫が多くないとやる意味がない、それは本当なのかな。

ソーラーパネルを設置するのは、お金になるから。
てんぷらカーが増えないのは、お金にならないから。

住宅地とマンションができるのは、お金になるから。
森や林を売り払ってしまうのは、お金になるから。
酸素を生み出し空気を冷やす森や木は、お金にならないから。

お金になるか・ならないかを基準にしなかったら。
100年後の環境が守れるか・守れないかを基準にしてみたら。
子ども達が未来を生きるのに困るか・困らないかを基準にしてみたら。



色んな思いが混じり、濁って、でも捨て鉢にならず、ヤケクソにならず、
静かな希望を抱いていたい、そんな気持ちを写し取ったような夕暮れ。

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* * * お知らせ * * *

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あなたの暮らしは幸福ですか?
それは、どのくらいお金で左右されますか?


今回は参加費を設定せず、ドネーション(寄付)方式で開催します。
この機会にお気軽にご参加いただければ嬉しいです。


* * * まかない日記 * * *

家でミニトマトを切り、ガーリックオイルと塩とお酢でマリネして
畑で仕上げようと思って持ってきた。
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畑のバジルをちょいちょいっと使わせてもらった。
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美味しいパンに挟んで、簡単な夕食。
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陽が落ちる前に片付けて帰宅、お風呂、就寝。
畑で食べるとそれだけ簡単でいい。
posted by miya at 16:17| Comment(0) | 環境 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月30日

うなぎの記憶

先週、土用の丑の日に食べたうなぎ。

いつも遊んでた小川には、うなぎがいっぱいいるから
去年まで、高知の実家からたくさん送られてきていた。
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川の岩かげから、ぬっぬっと顔を出すうなぎ。

ずっと下流、市街地の堤防や枯渇エリアを考えれば
どう考えても海と行き来ができそうもない。

どうして山奥に暮らしているのか、どうやって増えるのか、
どうしても分からないんだけど、身近な存在だった。


子供の頃、一番最初に覚えた捌き方がうなぎの捌き方だった。

首に突き立てた千枚通し(キリ)を渾身の力で押さえ続ける。
しっぽの付け根も同じように千枚通しを突き立てる。

暴れる巨大うなぎには、まな板3枚使って捌いた。
切り身になってもまだピクピク跳ねる様は、凄まじかった。

うなぎの身は白焼きにして、蒲焼きにした。
頭と背骨と尻尾は、油で素揚げにして、塩胡椒で食べた。
パリパリと旨みのある、うなぎ煎餅。


夏祭りは、大量のうなぎをみんなで捕まえる
「うなぎ掴み競争」が当たり前だった。
中学校に行くと、余所はそうではないことを知った。

うなぎを掴むのには首元、えらのすぐ下。
それで前に逃げるから頭のほうに袋を構えれば
だいたいうまく捕まえられた。


高知の山のほうでは、川でモクズガニを捕まえる。

各自オリジナルの、罠みたいな金網のカゴを仕掛ける。
設計にあれこれと苦心するのがおんちゃん達の常だ。

家で食べるうなぎは、捕ろうとして捕れる訳ではなく
モクズガニ用の罠に入ってきてしまう、不運なうなぎ達だ。

魚屋でたっぷりもらってくる、大きなアラに惹かれて
モクズガニもうなぎも、よく捕れる。
そしてカゴの中でエサをたっぷり与えられ、よく肥える。


台風銀座の高知では、川がよく荒れる。

まず川へ「カニを見に行く」のが
これまた山のおんちゃん達の常であり、

「危ないからやめちょき」と止めるのが
山のおばーちゃん・おばちゃん達の常である。

それぐらいカニのカゴは、宝箱なのだった。


ふるさとの夏祭りでは、おんちゃん達がみんなして貯めたうなぎが
文字通り「大放出」されるのである。



去年、天然うなぎが絶滅危惧種になった。
何の冗談かと思ったけど、本当のことだった。

捕らなくすれば守れるのか、と考えたら
護岸工事の施工内容や、堤防の作り自体を
見直さないと無理なんじゃないかなぁと思う。

でも、実際にふるさとの山奥にはうなぎがいる。
そういった研究をしたい人がいたら、
色んな事がわかるかもしれないのだけど。


昨年の秋に禁止されるより前に捕ったものを、
親は食べずにずっと冷凍してくれていた。

これが最後かもしれない。


田舎者の、うなぎの話である。


関連記事:
自然環境を考える絵本(うなぎの棲む小川は、処分場よりも上流)


追悼記念:うなぎの登場した記事と写真
posted by miya at 11:28| Comment(0) | 環境 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする