■不安をひとつひとつ解消する
たくさんの方に
「ちゃんと医療従事者のもとで産んでね」
「何があるかわからないのがお産だよ」
「結構、年取ってるもんだよ」
と釘を刺され、素直に粛々と妊婦健診を受け続けつつも、
『プライベート出産』って実際どうなのか、
周りの経験者たちに聞いて回りました。
南房総には一度も診察を受けずに
本能だけで2人産み育てている友人がいるし、
自然育児の先輩やお仲間にも話を聞きに行きました。
千葉では近所にブラウンズフィールドの中島デコさんがいるし
長女のシネマちゃんも里帰りのときがあるから、
いざとなればここにも相談しよう、とも(勝手に)思っていました。
どこで誰とお産するか決まらないうちから、
すべての助産師さん、お医者さんたちに疑問点をどんどんぶつけて
対策を教えてもらっておいたのも、
思えばプライベート出産に踏み切る布石だったのかもしれません。
(※お産に関するQ&Aと、
実際のお産で実行したことなどは後でまとめてご紹介します)
■欠けていた、「自分が産む」という覚悟
自宅出産や自然分娩で有名な、矢島助産院の文章を読んでいたら
こんなことが書いてありました。
「お母さん、赤ちゃんに問題がなければ
最後は産婦さん自身でとりあげてもらいます」
「最後は赤ちゃんの脇の下に手を入れて、
お母さんに、自分の力で引き出してもらいます」
「あぁ、自分で産めたんだ!気持ちよかった!
という感覚を糧に、お母さん自身が女として母親として、育っていける」
もう、衝撃でした。
まさか自分で赤ちゃんを取り上げるなんて・・・。
私のお産といったら、
痛い痛い痛い〜!
とりあえず出す!!後はよろしく!
何と言うか、産みっぱなしで精一杯。
介助してくれる誰かに取り上げてもらうイメージしかなかったのです。
赤ちゃんを「産む」というよりは
赤ちゃんがそのうち「出てくる」という受け身なイメージ。
いや、実際にその両方なんですが、うんちじゃあるまいし、
大きいものを痛い思いをして出す、みたいな捉え方でしかない自分に気づかされました。
この文章との出会いは妊娠後期に入った頃。
自宅出産か、助産院での施設出産か、
プライベート出産なんてとてもとても・・・と思っていた時期。
自分のお産に欠けているものに、ついに気がついた瞬間でした。
「せっかくのお産なのにもったいないな〜」
「お産をめいいっぱい味わってみたいな〜」
そう思ってからは、
「自分が赤ちゃんを産むんだ」
「自分と赤ちゃんで力を合わせて産むんだ」
そんな覚悟を毎日心で呟きながら
大きくなるお腹を撫で、お産の日を待つようになりました。
次第にプライベート出産への自信がついていったのは
この「覚悟」も大きかったと思います。
■ゆっくりお風呂に浸かっていたら・・・
3月12日。予定日は明日。
さぁ、産後しばらくはお風呂にも入れないわ〜と、
お風呂を沸かしてもらいました。
半月ほど続いたお決まりの前駆陣痛に振り回され、
暖かな房総半島の気候も相まって、汗が気になっていたのです。
前駆陣痛の合間に
「まだまだ、まだ産まれない、
だって絶対お風呂に入りたいからー」
と呟きながら服を脱ぎ、
お風呂に岩塩とアロマオイルを溶かして、
1時間ほどのんびり半身浴。
痛みもなくなって、あー贅沢♪
髪も洗ってさぁ出ようという18時頃、
いきなり強い本陣痛が始まりました。
最初から3分間隔の本陣痛。
絶対にドライヤーで髪を乾かすんだと妙な執念を燃やして、
陣痛の合間にざばぁっと湯船から立ち上がって体を拭いては
陣痛の痛みに「やっぱ無理〜」と温かいお湯に浸かりなおすこと数回。
夫は脱衣所にバスタオルを敷き、お産セットを用意して準備万端です。
(とっておいた大判のビニール風呂敷、古いバスタオル数枚を敷き、使い古しのタオル何枚かと、砂時計も)
夫が時計を見て時刻を読み上げ、
別室の長女が下2人の相手をしながら陣痛の間隔をメモ。
「服着たい〜 髪乾かしたい〜」
と唸りながら湯船から出られない私。
結局、痛すぎてもう無理〜!となり、
「ここで産む、お風呂で産む〜」
「産んだらお布団で寝っ転がりたい、
バスタオルもお産セットもお布団に移動して〜」
など、こまごまと夫にリクエストしました。
お風呂で陣痛がぐっと進むとか、
お湯の温かさで陣痛を和らげるとか、
自然分娩の本で読んだことは本当でした。
お湯に浸かりながらのお産なんて初めて!
(凄まじく髪振り乱して苦しむ私の頭に、夫がタオルを巻いてくれていた)
温かいって素晴らしい〜と絶賛しながら
浴槽のへりにつかまって陣痛に耐えるうちに
陣痛は1分間隔になり、もう絶叫。
パチンと弾ける感覚に「破水した!」と大声で伝えました。
■陣痛を喜びにつなげるイメージトレーニング
痛いのが苦手な私は、育児の会でも何人かから聞いていた
「オキシトシンのシャワー」「ピンクのお花畑」が信じられなくて、
でも何とか陣痛の痛みを喜びにつなげるべく、
前駆陣痛の頃からイメトレをしてきました。
それは、大好きなムラサキハナナと菜の花が咲き乱れる中を、
可愛い赤ちゃんがハイハイしてやってくる光景。
湯船で陣痛のたびに細く長く絶叫している間もひたすら、
紫と黄色のお花畑を進んでくる赤ちゃんを思い描いていました。
■水中出産じゃなくて、湯船出産
痛みが最高潮を迎え、赤ちゃんの頭が出そう!
というときには、夫がお風呂場に来てくれました。
「頑張ってるねぇ、エライねぇ、すごいよー、えらいよー」
言葉を尽くして夫に励まされながら、ついに赤ちゃんの頭が出ました。
泣くでもなく眠っているような、ぬーんという顔だったそうです。
腰は水面より高くして、顔が水に浸からない位置だったのですが
出てきた赤ちゃんがボチャンと溺れたらどうしようと思って、
痛みの最中に湯船の栓を抜きました。
※実際は、胴体が出るまでは肺呼吸が始まらないので
頭が出ただけでは息はしていないそうです
頭が出ただけでは息はしていないそうです
下半身のアレコレが赤ちゃんの頭で押し出されて出ちゃうちょっとアレな件も、
排水口に流してもらうことに(なんて気楽!)。
さらに2回ほどの陣痛を経て胴体も出た瞬間、
「ほぎゃあ、ほぎゃあ」
元気な声が響き渡りました。
赤ちゃんは夫が両手を伸ばして浴槽内で受け取り、
私に即座に渡してくれました。
これまで、タオルで拭かれた後の赤ちゃんしか
受け取ったことがなかった私は、
クリーム状の胎脂でべっとりとした赤ちゃんにびっくり。
ぬるっとすべりそうなのを注意して胸元に抱き取ります。
全身で産声をあげている小さな赤ちゃん、
これがお腹にずっといたのねと思うと、
まだまだ痛みの余韻があるけれど
「可愛いねぇ、可愛いねーぇ」
と、思わず声が出ました。
母性がかなり少なめの私が、
産んですぐにこんな気持ちになれたのは初めてでした。
■お風呂場からお布団へ
出産したのが18時半。
本陣痛の開始から32分で産まれました。
次女の15分、長男の50分の中間といったところでしょうか。
メモを見ると3分間隔が5回、2分間隔が6回、1分間隔が9回。
なんにせよ予想通りのスピード出産でした。
湯船で胎盤が出ると、産道からお湯が体内に入った場合に
感染症の可能性が心配、と本で読んでいたので、
まだ胎盤が出ないうちに、夫にお姫様抱っこで
お風呂から布団へと移動してもらいました。
母子ともに拭いて拭いて、
乾いたタオルを敷いて古い布おむつを何枚もあてて、
後産の準備もばっちり。
赤ちゃんを胸に乗せ、布団を掛けて落ち着くと、
夫のOKが出たらしく、子ども達がそろそろと寄ってきます。
「かわいいー!」「ちっちゃーい!」の合間に
「おかあさん、ちがでてるー(涙)」気遣わしげな2歳長男の声。
移動のときに少しだけ廊下に垂れたんです、血が。
陣痛の叫びも全部聞いたはずで、かなり心配してくれているようでした。
・・・赤ちゃんを産んだのは夕方。
でも、夜になっても、朝になっても、胎盤が出てきません。
ハラハラ・ドキドキの胎盤編はまた次回〜。
シリーズ一覧:続きが書け次第、更新します(行政手続きや胎盤レシピがまだなのです)
プライベート出産記(1)自宅出産難民
プライベート出産記(2)お風呂で産んでみた
プライベート出産記(3)胎盤が19時間以上出てこない
プライベート出産記(4)医療的Q&Aと実践したこと
関連記事:2人目、3人目のときの「自宅出産」記事はこちら
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ごちそうさまでした♪