2015年08月05日

秋田の夏(3) 遺跡

この夏、秋田へは車で往復した。
帰り道では、途中で見かけた遺跡に立ち寄った。

(夫はひそかに、ここに寄ろうと決めて
 この道を通ったらしい。)

その遺跡は、払田柵跡(ほったのさくあと)。
平安時代の城柵遺跡だそう。
P1050992hottanosakuato_gaisakumimamimon.JPG

復元された外柵南門をくぐる際、特に感心したのは
柵などの材木の仕上げ面に、きちんと中世の加工を再現してあるところ。
P1050989hottanosakuato_nagurimen.JPG
これは恐らく、釿(ちょうな)という古代からの道具で作る、
名栗面(なぐりめん)という表面の仕上げ方。

木工マニア、田舎暮らしマニアとしては
こうした仕上げをした材にこんな場所でお目にかかれて感激。
何より、復元に関わった人々のポリシーを感じた。


広大な丘陵地をそのまま使ったという払田柵跡。
だだっ広い草原になっている史跡内で
強い風を全身で楽しむ長女。
P1050996hottanosakuato.JPG

なんとまだまだ発掘は続いていて、
黙々と作業にかかる工務店の方々。
P1050999hottanosakuato_hakkutsu.JPG

外郭南門の柱跡は、発掘した柱も結構な割合で再現に使われていた。
この太さ!
P1060005hottanosakuato_gaikakumimamimon.JPG

石段を登りきると政庁跡が複数立ち並び、
それ以外はほとんどが芝生の丘となっていた。

建物跡や復元された建物にひとつひとつ立ち寄り、
夫がわかりやすく長女に平安の頃を伝えていく。

全部回り終えると、あとは丘を下って戻るのみ。

「さー転がって!」と無茶ぶりする夫の声に
「ひえええぇ〜」と歓声をあげながら転がってゆく長女。
P1060024hottanosakuato.JPG

よく鍛えたもんだね。
どんどん転がるよ。
P1060027hottanosakuato.JPG

最後に大きい丘に出た!
さ〜転がれ〜ぃ!
P1060029hottanosakuato.JPG

これって、「12歳までにしておくべき50のこと」の

 冒険家 Adventurer
 2. ものすごく大きい丘を転げ落ちる Roll down a really big hill

ってやつだね?なかなかの快感だねぇ。


大笑いしながらどんどん転がってくる娘。
舌噛まないようにねー。
P1060031hottanosakuato.JPG

「俺さ、遊具いっぱいの公園とかほんと嫌だなーと思って。
 子ども連れてくんなら、なーんもない原っぱがいい。」

娘を見ながら、夫が呟く。

勢いづいた娘は、「車のとこまでずっと裸足でいく!」と張り切って
砂利道も「イテテテテ」と騒ぎながら小走りに駆け抜ける。
P1060033hottanosakuato.JPG

あまりにも強い風に、くるくる舞い始めた。
P1060037hottanosakuato.JPG

P1060039hottanosakuato.JPG

風に背中を押してもらって、「進む〜進む〜♪」
P1060043hottanosakuato.JPG

 これが、芝生じゃなくて、定期的に刈ってはいるけど
 自然の雑草だらけっていう原っぱだったら、最高だね。

 中世ではこの地面は、何に覆われていたんだろうね。
 芝生じゃないことは確か。
 それも突き詰めて再現するような史跡、あるのかなぁ。
 でも、除草剤を使ってなくて良かったよね。

 遺跡、シンプルで素晴らしかったね。
 こういう所って、復元する人のポリシーが左右するよね。
 ここに来れて良かったね。

夫婦でそんな会話をしながら、史跡を出た。

P1060062hottanosakuato.JPG


* * * お知らせ * * *

今年は一気に掘るぞー!でも暑いぞー!

14potato_large_ban.jpg
自然農ジャガイモ2015 通販・直販
いよいよスタート!


なお、直売で陽に当ててしまうよりは、
なるべく通販でお届けしたいな〜と考えております。

では、また!
posted by miya at 09:24| Comment(0) | ふるさと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月21日

秋田の夏(2) 海と蟹

秋田の道の駅には、
なぜかやたらと温泉が併設されている。

秋田ばばの家は海の近くで、道の駅も近くに複数。

この日は海で遊んでから温泉に入って帰ることになった。
レジャーが何かと集約している道の駅である。

P1050724umi.JPG

ざぶーん。ざぶーん。

P1050723umi.JPG

生まれて初めて海を見たとき、怖くてわんわん泣いたっけ。
波の音にさらわれそうで怖くなったのだ。

次女も、顔をくしゃくしゃにして夫にしがみついている。

P1050719umi.JPG

その向こうで秋田ばばとその娘たち(私の母とその妹)は
カニをほじくっている。今夜はカニの素揚げなのだ!

P1050733kani.JPG

母たちが子供の頃は、姉妹で海岸に来ては
カニをたくさん捕まえて、晩のおかずにしたそうな。


夫に次女を抱っこしてもらって、気がつけば・・・

ずいぶん入ってるね。

P1050734umi.JPG


少女のように清楚なおばに荷物をまかせ、

P1050730umi.JPG

狩猟系の母と私は目を爛々をとさせて海岸を漁る。

ずっとずっと遠く、
テトラのほうまで行ってカニと死闘を繰り広げた。


捕まえた大小のカニを手に戻ってきてみたら、
おむつ一丁の次女がべそをかいていた。

おむつで砂浜に置いてあげたら、砂まみれになって、
海で洗ってあげたら、泣いたんだそうな。

P1050741umi.JPG

してやったり、の夫の顔ったら!


砂浜を見下ろしながら温泉に入り、カニの傷を癒し、
秋田ばばの家に戻った。


カニが揚がっていた。

P1050763kani.JPG

小さいカニは食べやすいから、1〜2cmのも捕った。
大きいカニは欲が出て手を出したら、ハサミで逆襲された。

P1050762kani.JPG

生きたまま揚げられたカニの恨みを長女が表現。

食べると必ず誰かが「いでででで!はさまれたー!」と大騒ぎして
賑やかに夕餉を楽しんだのでした。



posted by miya at 21:31| Comment(0) | ふるさと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年07月19日

秋田の夏(1) 男手

夫は、私の祖母と仲が良い。
秋田に行けば、毎晩ずっとお酒を飲んで語っている。

足が悪く、女手しかない家にせっかく訪問しているのだからと
毎回、何かしらの男手仕事をやってもらう。

今回は桜の剪定。
P1050691sakura.JPG
私たち姉妹も子供の頃は、毎年高知から秋田にやってきて
長い夏の滞在中、この木の下で遊んできた。

今や、隣家や後ろの畑に覆いかぶさるほど枝を広げて
最近の祖母の悩みの種だったらしい。

自分で桜の木に登ろうとしては、娘に止められてきたとのこと。
おばあちゃん、85歳。登らなくて良かったね。


秋田ばば(ひいばあちゃん)にくっついて、長女もやんややんや。
P1050694sakura.JPG

「植木屋さんに頼むと5万円もすんだー」
「じゃー4万くらいいただこうかな♪ ぶっはっはっは」

大笑いで賑やかに作業している二人。
面白いなー。


先立たれたり、離婚したり、未婚だったりで
どの夫も不在だったこの一族。

三年前から、唯一の男手がうちの夫となっている。


「miyaちゃんいい人と結婚したなー」

でしょ。お役立ちでしょ。



東北出張のついでに里帰りした、うちの母。
P1050699sakura.JPG
長女にとっては、高知で3歳まで一緒に暮らした
熱烈ぞっこんのばーば。ここぞとばかり、甘えまくり。

ちょっと離れた場所から、桜の剪定をご観覧。
孫たちはずっとばーばとくっついています。
P1050703sakura.JPG


秋田に帰ると、誰も彼もがちょっと緩む。
そんな、秋田ばばのおうちです。

ラベル:じじばば
posted by miya at 07:08| Comment(0) | ふるさと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする