「あのね、畑に小鳥が落ちてたの。
すーっごく、可愛いんだよ。
まだあったかいんだよ、
でも死んじゃってるの・・・」
まだキンキンに冷える、1月中旬のことだった。
ケガもなく、ぽとりと畑に横たわっていたその小鳥は
目を見開いたまま、時がただ止まっただけにも見える。
温めてあげたら元気を取り戻すかも・・・
また起きて飛べるようになるかも・・・
小さな胸を痛め、動かぬ小鳥をそっと抱く次女に、
「大事にしてあげてね。
お墓を作って埋めてあげるといいかもね」
と声をかけ、様子をみた。
横から興味津々で触りたがる長男を制し
「触ってていいけど念のため、その手で
自分の目や口、ケガしてるところなんかは
触らないようにね」
違う生き物だから、適度な距離は必要。
折りに触れ伝えてきたことを二人に向けて繰り返す。
次女は小鳥があんまり可愛いので、どうしても離れがたいらしく
しばらく、そっと抱いてブランコに揺られていた。
「お隣のSちゃんなら知ってるんじゃない?
何ていう鳥さんか聞いてみたら?」
何の気なしに提案してみたら、
次女と長男で、いそいそと駆け出した。
お隣のおじいちゃん、Sちゃんは
とっても物知りだけど、決して見栄を張らない。
知ってるものは気さくに教えてくれるし、
知らないものは知らねぇな、とスッパリ答えてくれる。
( ⇒ホテイチクというタケノコをくれたなぁ)
長男はぐんぐん、走っていく。
小鳥を手にのせた次女は、乱暴にできないとばかりに
そろりそろりと、小走りで。
しばらくして戻ってきた二人は、
「つぐみ、っていうんだって。
Sちゃん、見てすぐわかるんだよ、すごいよねぇ〜」
感心した様子でひとしきり説明してくれる。
ちょっと気持ちが前向きになったらしい次女は
お墓をどうするか、思いを巡らせる。
「あわ子のお墓の近くなら、
さびしくないかなぁ」
「スコップで掘って、
犬とかに掘り返されないように
土をいっぱいのせて・・・」
「おそなえのお花、どこかにあるかなぁ」
忙しく色々と計画を立て始めた。
次女はそれから裏山に向かい、かつてヤギの粟子を埋葬した近くに
ひとりで小鳥のお墓を作ったらしい。
「梅のつぼみが可愛い色だったから、
小鳥の上にのせてあげたんだよ。
あと、ナンテンも。
赤い実がきれいだったから。
きれいなもので囲んであげたの。
すごく可愛かったんだよ。」
丁寧に埋葬して、目印の棒も立てておいたそうだ。
小鳥と向き合う時間がどんなものだったのか、
それは次女にしかわからないけれど、
大切なことだったんじゃないかと、思っている。
翌日からの次女は、鳥の絵本や図鑑を引っ張り出して
つぐみを調べ、教えてくれるようになった。
じっくり観察していただけあって、
模様を思い浮かべながら調べていく。
「あーなるほど、オスだったんだ!」
「これがつぐみだよ!」
「やっぱりおうちの周りによく来る鳥なんだね」
(鈴木まもるさんの『ぼくの鳥の巣絵日記』、大好きな絵本のひとつ)
動かぬ小鳥との出会いは悲しかったけれど、
私たち親子に「野鳥との関わり」のきっかけをもたらしてくれた。
お隣のSちゃんが飼っているニワトリをさばいて食べるのも
子どもたちはよく見ているし、
同時に、こうした小さな命に心を寄せて
ゆっくり感じることも、している。
その二つは不思議に共存しながら、子どもたちを育んでいるのだと思う。
「生き物のこと」関連記事:壊れやすいもの2(キジの卵を見つけて) ヘビ アリ スズメバチ
* * * お知らせ * * *
そろそろ花粉症の季節が近づいてきました。
今年こそ卒業したいという方、ぜひ!
今月は常陸大宮でリアル開催決定。
はじめての方も気軽にお越しください^^
⇒2/20(土) 出張マインドボディヒーリング講座 in 常陸大宮
〜 腰も頭痛も花粉症も!身体の不調をまとめて体質改善!〜
そして、ひきこもり経験者・当事者、
生き辛さを抱える人限定の居場所「新月カフェ」。
茨城県央エリアで2月下旬に開催です!
⇒2月24日(水)午後
新月カフェVol.44 in 水戸
* * * まかない日記 * * *
このところまかない日記が小麦系ばっかりなのは
子どもが盛り上がったときに「写真撮ろうよ!」となりやすいから。
ええ、お米はこのところ、
カメラをわざわざ出す盛り上がりに欠けるのです・・・悔しい〜。
ということでパンケーキon薪ストーブ。
あったまりながらおやつを焼く、そんな薪ストーブ生活もあとわずか。
子どもたちは本をよく読んだ冬でした。
ひらがなを認識していなかった長男が、
同じ形の字を複数の絵本から見つけて並べたり。(でも字として読めているわけではない)
サンタさんからの図鑑も延々読んでいます。
小さい人たちが膝に乗ってくるのもあと数年。
毎日大変だけど、今のこの瞬間を楽しもうと思っています。