9月になると、野山のみならず庭や畑のあちらこちらでも
黄色い花がほつほつと咲き、細い緑の莢が実り始める。
野生アズキだ。
正しくは、ヤブツルアズキと言うらしい。
栽培種のアズキよりもずっと小さく、
でもよくよく観察しているとそんな中でも大きい莢のものがあって
ホクホクしながら収穫していく。
野生アズキの収穫を始めたのは去年から。
移住した大子町の家に、ところかまわず繁茂していたので
「小豆の収穫がイノシシで全滅したときの保険に」と、取りためていったのだ。
実はつくばの農園でも、ちらほら見かけていた。
草むらさえあれば、意外なほど生えているのだけど、
花や実がつくまで気がつかないだけ。
夫に「これが野生のアズキだよ」と教えてもらってはいたものの
家からそこそこ離れた畑では、農作業だの子どもの世話だの帰り支度だので
小さな野生アズキまで収穫するなんて発想に至らなかった。
この二年、自分で小豆を種まきし、たまに草刈りし、小豆の面倒を見ているうちに、
(恥ずかしながら)やっと小豆の葉っぱが分かるようになった。
すると確かに小さいのだけど、野生アズキも「小豆の葉っぱ」の形なのだ。
ひとたび気づいてしまうと「野生アズキも採れるなぁ」なんて欲が出て、
草刈りがついつい甘くなる。
そうして大子の我が家では、あちこちに野生アズキが茂っているのである。
それはもう、「ヤブツルアズキ」の名に恥じないヤブっぷり、ツルっぷりで。
9月10月と、毎日少しずつ、何かのついでに黒い莢を収穫する。
乾ききる前、はじけないうちに。
カンカンの晴れになるともう、パチンパチンとはじけてしまうから
莢を刺激しないようにそ〜っと、収穫する羽目になる。
(ネジネジは弾けた後。ツブツブはアブラムシ、こういう莢は採らない)
はじけた野生アズキの豆はというと、普通の小豆の半分以下の小ささ!
色も黒と深緑の迷彩模様で、小豆っぽさはシルエットと、ヘソの具合くらいしかない。
この秋は末っ子も1歳半になり、暑さが和らいだこともあって
かなりの時間を庭で過ごしたがるようになった。
(黄色いチョウチョさんがたくさん集う場所。まてまて〜と追いかけるとみんな飛んでいっちゃう)
6歳・4歳の二人がそれなりに一緒に遊んでくれるのでご機嫌。
私はときどき声をかけながら洗濯や草刈りなどができ、ありがたい。
日々、野生アズキを収穫していくと、こうなる。
次々に弾け始める。
カビることを恐れ、上下を入れ替えながらお日様にあてていたら
どんどん場外へと飛び出してしまうことに気がついて、慌てて別のザルでフタをした。
これでひと安心。
いいお天気の日に庭にいると、
野生アズキがザルの中で次々に連鎖反応のように弾けてゆき、
その軽快な音の連なりが聞こえてくるたびに、ムフフと嬉しくなる。
数日かけて昼間の太陽に晒し続け、弾けに弾けたあとは
莢ごとゴリゴリ押し潰して弾け残りも弾けさせ、
さらに莢に残っていないか、子ども達と競うように最終チェック。
豆によっては小さな黒ゴマみたいな虫がくっついているので
日なたで金属のザルに入れてシャカシャカシャカシャカ、ひたすらふるう。
わーわーと虫やゴミが落ちてゆき、
白い紙の上でどれだけ振っても何も出ないことを確認したら、終了!
たっぷり採れて、あぁ、ありがたい〜〜。
二年分を合わせて大粒のものを選抜できないかと、妄想中。
おばあちゃんになる頃には、miyaアズキが固定できるんじゃなかろうか。
こうして栽培種の小豆も作られていったんだろうなぁ・・・。
大子ではイノシシという緊張感があるおかげで、
野草を食料としてカウントすることが増えたように思う。
雨風が凌げて、食べるものがあれば、大丈夫。
育てたものが全滅しても、狩猟採集すれば、なんとかなる。
暮らしの軸は、こうありたい。
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インフルエンザの症状が、エイヤッと・・・!
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もう明日のお昼にはオンライン講座なのですねー
⇒10.3 第2回マインドボディヒーリングWeb講座(心身治癒法)
〜腰も頭痛も花粉症も!まとめて体質改善!〜
定期的にオンライン講座をやっていくようですので、
気になる症状がある方は、ご希望の日時などご相談ください^^
* * * まかない日記 * * *
6歳次女&4歳長男の二人は、よくお隣のおっちゃん畑に遊びにいきます。
で、「もう食わねぇから好きなの採っていーぞっ」と言われ、
一番大きくて硬いナスをもらってきましたとさ。 芋並みに硬いじゃーん
まっ、薄切りにして炒めれば(またはよく煮込めば)、硬〜い茄子も大丈夫。
兼業農家育ちで良かった!
そりゃ、種も目立ちますがね、白ゴマと思って噛んでごらんなさい!
(※食べ物に文句を言う人間は、うちにはおりません)
畑で大量に植え、掘りまくったじゃがいもを、冬まで細々と食べております。
この日はお味噌汁に。
お米が二色なのは、残りご飯と炊きたてをミックスして盛り付けてくれているからでーす。
不公平にならないよう、大人も子どももミックスするのは夫。
食べ物に感謝、人々に感謝。ごちそうさまでした!