2020年03月20日

アワ子の天寿

前回の続きです。

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(左がキビ太、右がアワ子。座っているとキビ太が寄ってくるの図)


あまりにも急な、遠い場所でのキビ太(黍太)の夭逝について
私たちはしばらく咀嚼しきれず、アワ子(粟子)にもそれを伝えられずにいた。

心のどこかで、

 アワ子はキビ太を避けまくっていたから、
 関係ないわって顔をするんだろうな。
 それでがっかりしたくないな。

という思いもあった。

この二人がどんな関係を築いていたのか、
実際のところは誰にもわからないけれど。

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(つくば、いすみ、大子と、アワキビは雑草屋のフィールドをあまねく草刈りしてくれた)


キビ太の訃報から4〜5日経ったころ、

 アワ子の様子がおかしい。
 キビ太のことがわかったのかな。

夫に言われて見に行ってみると、
アワ子の身体が霞んだような気配を放ち、
透徹した表情でじっとこちらを見つめて佇んでいた。

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 あのひと、死んだのね。

とでも言っているような目だった。

 言ってなくてごめんね。
 キビ太は新しいおうちですぐに死んじゃったんだ・・・

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アワ子はそれからしばらく、
生命力がぐっと弱ってしまい、そのまま儚くなるのではと心配もした。

でも秋から冬に向かうにつれ、なんとかまた調子を取り戻した。


子ヤギのときから夫が可愛がって育てて、

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きっと第一婦人のつもりでいたアワ子。

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(何なの、このチビッコは)

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(やめてよっ)


私と長女が来てからは見事にソリが合わず、夫には従順なのに、
私に対しては犬みたいな唸り声で威嚇し、角で頭突きし、追い回され、、、
それはもう、大変だった。

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(まだ認めてないわよっ)



賢いアワ子。
しっかり者のアワ子。

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毒のある草は決して食べないし(キビ太はなんでも食べちゃう)、

首輪と鎖でつないであっても、
一人であればほとんど絡まることがない。
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(キビ太が一緒だと二人で絡まっちゃうことが何度もあった)


繁殖期に入るタイミングでオスヤギといなかったためか
妊娠のスケジュールからすっかり逸れてしまったようで、
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オスヤギを連れてこようとも、短期嫁入りさせようとも、
誰が相手でも決して妊娠することなく、気難しく、おひとりさまを貫いた。


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すっかりおばあさんヤギのアワ子。

大子町に移住すると、冬の寒さが老婆にはつらかろうと
夜は納屋の中に寝かせるようになった。

2月の終わりごろには、私へのツンケンした態度が軟化して
エサをあげたり、移動したりもスムーズにできるようになって、嬉しかったのに。

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思えばそれは、老衰のサインだったのだ。

地面にたいして深く杭を刺さなくとも、鎖を引っ張って脱走しなくなった。
頻繁に座りたがって、斜面などくつろげない場所ではオロオロした。

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3月初旬、近所を夫や子ども達とアワ子とでお散歩して、
ゆっくりゆっくり歩みを進めつつ、河原の美味しい草をたくさん食べた。

けれど帰り道はもう、すぐ座り込んで、何度も休んで。
「おばあちゃんになったんだね・・・」と子ども達は報告してくれた。

夫は私に「アワ子、そろそろダメかもしれない」と言った。

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翌朝、納屋でアワ子は冷たくなっていた。
夫がエサをあげに行って気がついた。

夫は朝から会議があったから
泣きながらお布団みたいに麻袋をかけて仕事に行って、
埋葬は昼まで待つことになった。

 アワ子がんばったね、がんばったね、
 ごめんね、ごめんね・・・

出勤前の夫は、長いこと撫でていた。


幸せだったんだろうか。満足できただろうか。
もっといい暮らしをさせてあげればよかった。

逝ってしまってから、悔やむことばかり。

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お昼に舞い戻ってきた夫と相談して、
家のすぐ裏の山の、静かな場所に埋葬することにした。

藪を払い、見晴らしを確認して、場所を決める。
家族みんなで穴を掘ったあと、夫がアワ子を抱えてきた。

夫が泣きながら、丁寧に、きれいにしてあげて、そっと寝かせた。
昔はもっと小さかったのに、大きくなって、おばあちゃんになって・・・
と振り返ると私も(仲が悪かったはずなのに)泣けて困った。

アワ子きれいだね、ねんねしてるね、と子ども達に話しながら
大好きな葉っぱやお花、米ぬかなんかを一緒に埋めてあげた。

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これからもっと手入れして、
荒れたこの山を、果樹園と畑に戻していく。

きっとマイペースに、お茶を摘んだり栗を拾ったり、
キノコを育てたり果物を植えたり。

そんな私たちの声が響く山の中腹に、アワ子が眠る。

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ゆるゆると アワ子のシンプルな生き様に衝撃!
粟子の嫁入り 愛されてるなぁ〜
野の花散歩 グルメなアワ子の食レポ



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貨幣経済に依存しない暮らしに
ダウンシフトを進めていこうと、やっぱり思います。
ラベル:ヤギ 生死
posted by miya at 16:03| Comment(0) | 生き物のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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