2018年09月22日

【お気楽自然育児Vol.3】強い子になる「外遊び」

つくば自然育児の会の会報で連載してきた原稿を、こちらでもアップしておきます。

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(2018/09/22執筆 会報no.243 10月分)

【お気楽自然育児Vol.3】強い子になる「外遊び」


miya :9歳・4歳・2歳の母
田畑と裏山のある移住先を全力で探しているところ


 こんにちは。千葉県いすみ市でのワイルドな半屋外研修生活も夏で終わり、近くのアパートに仮住まい中の後藤です。春夏とフルチンで育てた長男は昼間のおむつが取れて2歳を迎え、子育てもずいぶん楽になったので、今がチャンスとばかり、パート仕事も始めました。
 アパートでも引き続き冷蔵庫も洗濯機もない暮らしを実験中なんですが、なかなか工夫のし甲斐があります♪ただ、狭い&コンクリで囲まれた初のアパート暮らしは、掃除洗濯は楽だけど野山と田畑が恋しくなり…。ゆるゆると移住先を探し始めたところです。いったいどこへ流れ着くやら!?

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 過ごしやすくなった秋は、「外遊び」をテーマに書いてみます。自然育児における強い子の秘訣と言えば、 風やお日様、暑さ寒さにあたって過ごす、土や水にまみれて遊ぶ!という感じでしょうか。でもそこまで外で遊ばせてないかも〜という方、ゴンタには億劫でまだ行ってないなぁという方。私の体験談をお聞き下さい〜。


●ゴンタの衝撃

 潔癖症の母に育てられ、一人目(長女)が産まれた後は、やはり潔癖・超インドアな子育てをしてきた私。二人目(次女)が産まれてから入会したつくば自然育児の会でも、ゴンタなんて絶対論外!ハードル高すぎやろ!と思っていたのですが、春のバザーのお手伝いか何かで、ついにゴンタの丘(※)にドキドキの初参加。
※ゴンタの丘 …つくば市の外遊びor自然派の子育て団体が複数で使用している、自然豊かな遊び場の名称。


 そこには・・・土の上をハイハイしまくる赤ちゃんが!!
 ええぇぇー!なんて度胸のあるお母さんなんだ!なんでこの赤ちゃんは土に汚れても泣かないんだ!?

 とにかく衝撃の光景でした。そりゃお砂場遊び用のつなぎは着せていたものの、赤ちゃんを土の上でハイハイさせるなんて考えたこともなかった私は、ベルリンの壁崩壊と同じくらいの激しさで、何かがガラガラと崩れていくのを感じたのでした。

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●「ケガをさせない」から「ケガから学ぶ」へ

 恐る恐るゴンタデビューをしていき、外で子どもと過ごすのも悪くないなぁと思うようになると、庭や畑でもだんだん赤ちゃん連れで行くことが増え、子ども達の泥汚れにもうまく対処できるようになっていきました。

 私は、子どもがケガをしたら大変!!と先回りしてあれこれ心配するタイプ。畑や林のトゲ、イバラ、切り株、肌が切れるカヤの葉、畑に挿した棒切れなどなど、危険に見えるものは無限にありました。しかし、いざ子ども達と過ごしてみると、何度か転んだりぶつけたりしてケガをして泣くものの、次第に慎重に遊べるように成長していき、当初「乳幼児のためにあれもこれも整備して安全にしなきゃ」と思っていたことはほぼ杞憂に終わったのでした。思えば、ケガをさせないための先回りよりも、実際にケガをして学んだほうが、子ども自身で危険を回避する能力が備わって良いのでした。過干渉で心配性の私こそが、子どもの成長を阻んでいたのです。

 煮炊きを楽しめるゴンタの丘なら、火起こしの楽しさ危なさも伝えることができます。お母さんも、北海道の停電みたいな非常時に火起こしができると助かるかも!?まずはお母さんが火起こし・煮炊きを楽しんでみてください。枝拾いは子どもも大得意。一緒に火や熱の危険と煮炊きの楽しさ、覚えていけるといいですね。
※映画『サバイバルファミリー』、おすすめですよ♪


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●お母さんが楽になるには

 ゴンタの丘のような場所は、たくさんのお母さんとの集団子育てで、大らかさ加減を学べます。
 草の種や落ち葉がくっつかない素材の服とか、お砂場用のつなぎとか、いっそ水着でとか、教わること参考になることはたくさん!!さらに(今もあるかな?)木曜の常総生協さんの集まりや、コロボックル(※)のあちこちの集まりにも少し顔を出すと、育児の会とはまた違うアウトドアな子育てに出会えてこれも勉強になります。
※コロボックル …つくば市の外遊びメインの自主保育の団体さん。通称コロ。


 例えば尊敬する自然派&家庭保育の先輩ママとの会話。
「泥んこの洗濯はどこまで頑張ればいいんですかね?毎日ウンザリで…」→先輩「コロの子たちなんて、みんな全身なんだか薄茶色じゃない♪ある程度でいいのよー!どうせまた汚すんだし♪」これ、目からウロコでした。
 つくばで、汚れが落ちきっていない服を着せて長女を保育園に行かせたら、「洋服ぐらいちゃんとお母さんが綺麗にしてあげてください、ちーちゃんが可哀想です」と先生(思えば潔癖症だった)に何度かお叱りを受けたことがあり、『汚れ=誰かに批判されるかも…』と思い込んでいたのです。でも先輩ママとの会話から泥汚れへの抵抗が減り、外遊びがぐっと気楽になりました。

 もちろん、ママ付き合いが苦手な人は、子どもを外で遊ばせて煮炊きも楽しむ場として割り切って出かければOKだと思います。お喋りをほとんどせずに参加するお母さんだっていますし、人それぞれ!私は人の輪やグループに過敏で、ゴンタに行くのが憂鬱な時期もあったのですが、色んなお母さんを見ているうちに、お喋りの輪に入れず独り黙々と煙にまみれて火をおこすだけで終わった…、そんな日でも子どもが楽しんでいる様子を眺め「ま、いっか、よくやった私」と思えるようになりました。これもまた、母が楽になるひとつの手かな?

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●遊具がなくても遊べる子=「縄文の子」!?

 ゴンタの丘が貴重な場所なのはもちろんですが、な〜んにもない芝生の公園や空き地でも楽しめる子だと、子育てがもっともっと、ぐーっと楽になります。だって、お出かけのたびにお気に入りのおもちゃを荷物に入れる必要がないのですから!(うちはどこに行くにも、子どもには着替え以外なにも持たずに出かけます)
 そのためには、おもちゃを持参せず、遊具も砂場もない場所で外遊びする機会を意識的に増やすのがオススメ。頑張って野山に行かずとも、例えばただの散歩で延々石ころを拾う、葉っぱをちぎるなどもすごく意義があることです。見守るお母さんは「ホラッ、早く公園に行こうよ」ではなく、その時間を最大限尊重するだけ。
 今回の会報特集にも寄稿しましたが、電子機器や刺激の強いおもちゃなどから距離を取るようにすると、目の前の自然にワクワクする芽、何もないところから空想遊びを広げる力が、もっと育ちやすくなると感じます。

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 お世話になっている古山明男先生(オルタナティブ教育の権威)によると、『子ども達は縄文時代に必要な能力、すなわち、狩猟採集のための能力を獲得することに夢中になる』そうです。動くものを観察する、味見(毒見)する、並べる集める区分する、こねくり回して裂いてバラす、走る追いかける逃げる、隠す隠れる、物の名前を覚える、道具を考え作って使う、模倣する、シュミレーション(ごっこ遊び)する、仲間と意思疎通し、協力する・・・。モンテッソーリにもシュタイナーにも共通していますが、生きること暮らすことに必要な動作や能力から順に、積み上げるように獲得すべく、子ども達は夢中になって遊ぶのだとか。

 特に男子を見ていると、石と棒があればいいのかキミ?と思っちゃうことありますよね。ついつい遊具がいっぱいある公園、おもちゃ満載の児童館で過ごさせてあげたくなるのが親心ですが、今はそういった原始の芽を伸ばしてるんだなぁと思えば、何もない原っぱや森林で過ごす時間も、違って見えてきませんか〜。

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※私は今でも海辺でずっと石や貝を拾っています。謎の大きな背骨や行き倒れたウミガメ、白鳥も見つけて家族にびっくりされましたが。つくばの博物館でその背骨がイルカだと判明したときの興奮は忘れません!


●自然と上手なお付き合い

 虫を害とせず共存の知恵をぜひ。蜂やアリをむやみに駆除せず、本当に危険なもの、危険にさせる人間の行動、安全な共存の仕方を大人が学ぶほうが、持続可能で建設的ですよね。敵意は虫にも伝わりますので、落ち着いて尊重する気持ちでやり過ごすことも大切です。外遊びの場所に駆除剤撒き散らす!なんて本末転倒ですが、実際あちこちで起きています。虫それぞれの生態をちゃんと学ぶほうがよいと思っています(つくばの一軒家でスズメバチが大量に出たときも、調べまくって駆除せず共存できました)。

 例えば「草むらは蛇がいるかも!入っちゃだめ!」よりは、蛇を追い払う方法を教えてあげる(例:声を出しながら長い棒で地面を叩きながらゆっくり進む)、大人が草刈りをして気持ちよく遊ばせてあげるなど、うまい折り合いのつけ方を教えていくほうが、大人も子どもも上手に自然と共存できるようになります。
 なので、カンタンな草刈りくらいはお母さんができるといいかも?私は車に軍手と鎌を載せてあるので、困ったときはザッザと草刈りしちゃいます。何かいたらどうしよう…と思う方は、まず鎌の先でガザガザと掻き分けてから刈る、を繰り返すと大丈夫ですよ〜。水を入れたペットボトルもあれば、後で手も洗えるし準備万端!
 毒草や毒キノコを心配するなら、大人が覚えて教えてあげましょう。私の場合、お外のキノコは毒もあるから、お店で売ってるキノコ以外はとりあえずお口に入れないでね、とか、ポケット野草図鑑をしばらく持ち歩いて野草(特に毒草)を覚えるとかして、そこそこの安心を得ました。

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 遊ばせるなら綺麗なトイレがある公園じゃないと…って私も思いますが、そもそも野山や畑だと、トイレも何もない。そこで、野ぐそ野しっこの出番です。屋外での楽な方法はVol.1(4月会報)に詳しく書きましたが、生態系におけるウンチの素晴らしさ、屋外でもすぐ拭ける葉っぱ知識などのご参考に、茨城が生んだ偉人・伊沢正名さんの『お尻で見る葉っぱ図鑑』、お子さんには絵本『ウンコはごちそう』をおすすめします。世界観が変わりますよ〜。家庭の災害対策にもなりますので、タイトルにドン引きせずにぜひご一読を!


●外遊びに関して言えば、保育園は必須ではない

 ここ数年、育児や食事の方針、外遊びやおむつのことなど、保育園選びで悩むお母さんから相談を受けることが多くなりました。特につくばでは外遊びを重視した保育園は少ないですし、実際に入園してからじゃないとわからないことも多いですよね。
 長女は高知では、毎日泥まみれ!夏の2ヶ月毎日プール!の屋外天国な保育園でした。が、越してきたつくばでは(二つの保育園を経験)私の見る目がなかったのか、年齢別に使える遊具が限定、水泳は月2回だけ、外で遊んだら全身着替え必須(潔癖)、ひどい園では、月に1回しか外遊びがない…と、非常に残念な結果に。

 結局4歳の頃に保育園をやめさせ、以降3人を家庭保育で育てた結論は、「家庭保育で充分!」でした。
至れり尽くせりのお歌も踊りもお遊戯会も色鮮やかなお給食も遠足も運動会も山のようなおもちゃも教具の数々も、なくても全然構わないのです。子どもは素晴らしい成長の種を持って生まれていて、分刻みのスケジュールで管理しなくても、めくるめくイベントを片っ端から体験させなくても、自然の中で暮らしの中で、見事に育ってくれるのだなと、実感しています。

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 そうそう、「退屈」ってすごく大切なんですって!退屈の果てに、何かしたくなるから動く。大人が楽しませて差し上げる必要はなく、退屈を放っておいてあげ、遊びや楽しみへの渇望から動き出す、それがいいんだそうです(これも古山先生曰く)。つまんなーい、公園に行こうよー児童館にしようよーが何ヶ月か続くかもしれませんが(笑)、やり過ごしつつ、大人が自然を満喫できるといいですね〜。

 ちなみに、大げさな声かけで子どもの発見や感動を煽ったりしなくて大丈夫。そっと見守るだけのほうが、子どものペースで着実に楽しんでいけるようです。最初は外遊び好きな子を誘って、楽しそうな様子を子ども同士見せたり、外遊びのコツを伝授してもらうのもいいですね。
 せっかくの育児の会ですから、おすすめの遊び場を教えあったり、誘い合って出かけたりして、季節折々の自然をゆっくり感じてみてください〜♪

※暮らしのトライ&エラーを時々、blog『雑草屋の嫁日記』に綴っています。「家庭保育」のタグをつけた記事に、余白たっぷりの子育てのこと、畑や外遊びの日々などを記録しているので、何かご参考になれば嬉しいです。

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posted by miya at 21:37| Comment(0) | 自然育児の会連載 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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