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(2018/05/12執筆 会報no.241 5月分)
【お気楽自然育児Vol.1】春夏に楽しむ「おむつなし育児」
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我が家は4月から、一家5人とヤギ2頭で千葉県いすみ市に移動し、学びつつ暮らしつつの共同生活に突入しました!毎日火を起こし、火吹き竹でフゥーッとやりながら料理。薪割りはヘタだけど洗濯物の手洗いは格段にレベルアップ。慣れないうちは四苦八苦したけれど、ガチの自然暮らし、冷蔵庫も洗濯機もガスコンロも、なけりゃないで案外暮らせるものだなと、腹が据わってきた今日この頃です。早く住みか(小屋)を作らなきゃという親の焦りとは関係なく、子ども達は炭や煤、泥や砂にまみれて逞しく遊んでいます。
さて。1歳9ヶ月の息子が日中ほぼフルチン、裸足orサンダルの金太郎スタイルで過ごすようになってから、布おむつの洗濯枚数が激減!!出し切る感覚が身についたのか、車での移動中はもちろん、最近は夜8時の就寝から翌朝7時の起床までの間も、あまりオシッコしなくなりました。パチパチ!
そこで今回のテーマ、「おむつなし育児」。会の貸出し資料や過去会報の特集にもあるので詳しくはそれを読んでいただく事にして、ここでは私なりの目線で、おすすめポイントをまとめたいと思います〜。
●いくつかの方法(おまる、トイレ、ささげる、すっぽんぽん)
おむつなし育児は「ときどき赤ちゃんのおむつを外して、おむつの外に排泄させてあげましょう」という考え方で、「排泄コミュニケーション」とも言われるほど、母子の感覚的なつながり・やりとりが深まる育児法。決して「おむつを履かせない育児」ではないので、ご安心を。
「あ、今かな?」というタイミング(ソワソワしてる、寄ってきた、動きが止まった、起床時や食前・食後、授乳前後、外出前や帰宅後、就寝前…など)で、ササッとおむつを脱がし、おまるに座らせたり、トイレやお風呂場やお庭にささげたり。出た・出ない(成功・失敗)に執着せず、どこに出したにしても、わが子の排泄を「ちっち出たねぇ〜」「いいうんちだねぇ!」と喜んで共感することが、母子共に長く楽しく続ける秘訣です。
息子は産まれたその日におまるで気持ちよく初オシッコを出し切り、生後8ヶ月位までは順調に楽しいホーローおまるライフを楽しんできました。育児の会でも、ホーローおまるにすっぽりと座っている息子の姿を懐かしく語ってくれる人がちらほら(笑)。外出には布おむつとホーローおまる、少しのトイレットペーパーが必携で、車でもトイレ休憩の運転席でねっちょりウンチをおまるにゲット、トイレットペーパーできゅっと拭いておまるにポン、中身をトイレに流す…が遠出の際のお決まりでした。まぁ、おまるだけでなくトイレ(便座に向けてささげる、親が座って足の間に座らせる)やアウトドア(草むらなどに向けてささげる)を月齢の低いころからトライしていれば、外出がもっともっと身軽だったかな〜、と思います。
しかし、自我がはっきりしてくると日中のおまるを拒否!夜中のオシッコだけは授乳中のおまるでゲットしたのも数ヶ月、いつしか全くおまるに座ってくれなくなり、1歳半を過ぎた頃からフルチンをご所望。家の床や畳でジャーッ、時々プリリッ。忙しいときは布おむつを履いてもらいロンパースで固定(ごめん!)、余裕のあるときのみ、フルチンにお付き合いしてました。
●薄着の季節に気軽にトライ
春夏は、おむつなし育児を試すのにぴったり。洗濯物が気持ちよく乾く、晴れ続きのときはぜひ。
下半身だけスッポンポンにして、ねんねの赤ちゃんならレジャーシートにタオルやおしめを敷いて、歩ける子はお外やベランダなどで、しばらく過ごしてみませんか。人目が気になるという女の子のお母さんは、裾が広がったワンピースや少し大きめのシャツを着せたり、股割れズボンを試してみてもいいかも。
オシッコやうんちが出たとき、赤ちゃんは「身体から何かが出た!」という驚きや、「すっきりした〜」という快感を少なからず感じています。お母さんがお子さんに代わって「やったね〜おしっこ出たねぇ!」「うーん、って頑張ったら、いーいうんちが出たね♪」と、言祝(ことほ)いであげてください。いかにも汚いものが出たという反応(キャー!ばっちいよ、くっさ〜い等)は、「排泄=お母さんが嫌がる=出ても教えない」につながるのでご注意を〜。
冒頭でご紹介したとおり、今の息子は起きたら屋外で遊び、フルチン&サンダル(や裸足)でふと立ち止まってオシッコ、たまに砂山のてっぺんに登って誇らしげにうんち(うんちは必ず申告してくれます)。まず足元とお尻をチェックしてサッと洗い、リリース後に現場のお片づけ。土をまぶせば板切れやスコップで楽々運べます。
お庭にスコップ1本あればもう無敵。オシッコはささっと土をかけ、うんちは人の歩かないような場所にガッと掘ってヒョイと放り込んで埋め、目印に棒3本をテント型に立てておしまい。慣れれば靴のかかとでもできます。土に埋めるのと、毎回埋める場所をずらすのがポイントで、無数の微生物や虫たちがあっという間に分解を開始。暖かい時期なら3週間で、見事な腐葉土に変身します。小さなペットボトルに水を入れ、手拭いやハンドタオルと共に持ち歩けば、足元やおしりをチャパチャパッと洗って拭くだけで子どももすっきり。うちは、足にフィットするクロックス的なサンダル(爪先も安心)を西松屋のベビーコーナーで見つけ、庭には水を入れたペットボトルも置いてあり、どちらも重宝しています。
お風呂場やお外以外の場所、例えば床や畳などで排泄した場合、薄い古タオルや布おむつ1枚でササッと拭き、さっと洗面所で洗ってもう一度拭き、すすいで干せばすぐ乾きます。雑巾より乾きやすくていいんです。市販のおしりふき(ウェットティッシュ状の)はどんなに安全を謳っていても薬品どっさりなので、使わなくなると色々と楽になれると思います(おしりのかぶれが減る、排泄物への意識が変わる、布1枚で何でも対応できる、等)。
●最初の夏が汗腺の数を決める
いつも伊東先生(※)が仰っている通り、赤ちゃんは最初の夏にどれだけたくさんの汗をかけたかで汗腺の数が決まり、ひいては一生の体温調節能力が決まります。最近の子が熱中症で倒れやすいのは、快適なエアコン育ち(汗腺が少なすぎ)も一因でしょう。ある程度のあせもはデトックスと割り切って。それに、甘いものや熟成させていない大豆製品、ウリ科の食べ物を、母が食べなければ&子にあげなければ、あせもはずっと軽く済みます。
※伊東先生 …小山母乳育児相談所所長、つくば自然育児の会の顧問助産師。他にも北関東で複数の育児の会の顧問をされています。
…話が逸れましたが、空調のきいた快適な自宅や車、お店や児童館ばかりで過ごさないことは、おむつなし育児の実践という意味でも一石二鳥。お庭はもちろん、ゴンタの丘(※)やゆかりの森(アスレチック広場のほう)、人のまばらな野山などにどんどんお出かけして、下半身スッポンポンの、楽チンおむつなし育児を楽しんでみてくださいね。その際、お母さん同士で片付けのマナー(先述)も共有しておけば、気持ちよく過ごせます。
※ゴンタの丘 …つくば市の子育て団体が複数で使用している、自然豊かな遊び場の名称。
●おむつの枚数が減り、おむつ外しがぐっと楽に
おむつなし育児は、布おむつでも紙おむつでも、働いていても保育園に通っていても、月齢や年齢がいくつからでも、誰でも気軽に始められます。おうちにいるとき、お母さんが余裕のあるとき、気負いなく、試してみるだけで大丈夫。詳しくは『おむつなし育児研究所』のHPを読んでみてください。
布おむつを使っているお母さんは、おむつなし育児を始めると、特に日中だけでも下半身スッポンポンにすると、いっきに洗濯枚数が減って楽になります。息子は今では時々、ごはんも外遊びの延長にして、フルチンで切り株に腰掛けて食べています。食べこぼしも平気になってますます楽に(笑)。
布おむつは赤ちゃんにじっとりと不快感を与えてくれるので、おむつが外れるのが早く(昼間のおむつは2才になる前に取れることも)、精神的自立も早くなり、子育てがしやすくなります。まずは一日数枚だけでもいいし、おむつカバーだけ誰かに借りて、中のおしめは大人の古Tシャツの胸から下を切ったもの(=輪おむつの形状!)で始めたっていいんです。赤ちゃんの排泄を紙おむつの中に閉じ込めるのではなく、布おむつに出させてあげてこまめに取り替えることは、親子で培う排泄コミュニケーションの、確かな一歩だと思います。
●お母さんが大らかになると、子育ても楽!
「裸で過ごさせてみたら、娘がウンチをコネコネしていて撃沈!もう無理!」というお話、育児の会でありましたね〜(笑)。ウンチ=汚いもの、触ってはいけないもの、という固定概念があるとストレスになりますが、「洗えばいっか〜」と大笑いできるようになると、この先の子育て全般がとっても楽になります。
潔癖症を治すには、まずはゴンタの丘で、泥まみれ砂まみれからスタートしてみては。鼻水を吸い取るスポイトなんか売っていますが、お母さんが片方の穴ずつ、チュッと吸ってあげればいいだけ。伊東先生おすすめの本に『赤ちゃんはスリッパの裏をなめても平気』なんて衝撃的なタイトルの本がありますが、3人目にして私もついに、「あはは、まーた土食べてるよ〜」「海行ったらずーっと砂食べてるわー」「うわー!ホコリを味わっているのねぇ…」の境地に達することができました。
1人目(長女8才)が赤ちゃんの頃は、他の赤ちゃんのヨダレがついたオモチャなんて絶対イヤ!で、児童館なんか近寄らなかったし、どこで遊んでも抗菌(を謳った)ウエットティッシュを持って追い掛け回し、遊具を拭き、買い物カートを拭き、絵本を拭き…今思えば狂ったように「除菌・抗菌・滅菌・殺菌」に徹していました。大事に育てた長女は、病気のオンパレード。あれダメこれダメで監視して言いまくった結果、何かをやる前にお母さんの様子を伺うような幼児になってしまいました。いや〜、一人目あるあるですよね(汗)。
2人目、3人目と増えてきた結果、子どもに手が回らなくなり、ほぼ放っておいた息子の腸内細菌は3人の中で最強、次女と一緒に日々冒険を繰り広げています。生きる力って、程よく遠くから見守ることで育つのかなぁと思います。親という字は、木に立って見守ると書きますし。
孤独な密室子育てから、みんなでお外でワイワイ子育てへ。私はつくば自然育児の会のおかげで、2人目3人目はとっても楽に育てられました。みなさん、本当に恵まれたつながりですので、ぜひ活かして、自然な楽チン子育てを探求していってくださいね〜。
※暮らしのトライ&エラーを時々、blog『雑草屋の嫁日記』に綴っています。「おむつなし育児」のタグをつけた記事に、子ども達の月齢ごとの変化やおむつ外しまでの様子を記録しているので、何かご参考になれば…。
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関連記事一覧:月齢や年齢ごとの記録が中心です。
おむつなし育児 おまる おむつ外し
おむつなし育児研究所公式サイト:詳しいので、ここを見るだけでも実践できます♪
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