2019年05月30日

プライベート出産記(3)胎盤が19時間以上出てこない

(1)(2)の続きです。

お風呂場で赤ちゃんを産み、お布団に運んでもらって、
後産に備えていましたが・・・

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■後陣痛を湯たんぽで乗り切る

後陣痛の痛みにも温かさが効くと思い、
湯たんぽを3つ作ってもらってあちこちにあてて乗り切りました。
温かいって素晴らしい〜。

しかしいくら後陣痛で苦しんでも、
胎盤は全然出てくる気配がありません。

赤ちゃんに乳首を吸わせようとするものの、
まだ夢の中にいるような様子。

時折わずかに目を開ける以外は、
うっとりと眠ったままでお乳を咥えるそぶりも見せません。

疲れているのかなぁと、へその緒に注意しながら脇に抱いて寝かせ、
私もゆっくり休みました。

母子ともにほぼ裸でバスタオルやおしめの上に寝ていたので、
全裸の赤ちゃんが布団の中でおしっこをしても、
さっとタオルを替えるだけで対処できました。

なお、こういった赤ちゃんのお世話は全部、夫がしてくれました。
私はまだぐったりしていて、自分ではとてもできませんでした。

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(赤ちゃんが産まれて1時間後)


■力ずくでも出てこない

夜も夫は寝ずの番、
後陣痛の波がくるたびに駆け寄って世話してくれるのに、
胎盤の出ない申し訳なさ。

夕方18時半に出産したけれど、
20時、24時、深夜2時になってもまだ出ません。

経験上は産後すぐに胎盤が出るし、
白井先生たちからも、遅くとも1〜2時間で出すほうがよい、
と聞いていたので、焦りが募ります。

長男出産のときに白井先生がしてくれた、
胎盤を押し出すマッサージ(?)を思い出し、
子宮が収縮するたびに試みるものの、痛すぎて気絶しそうに。

何時間かは繰り返し頑張りましたが、
産んだ直後の数滴以外、出血がほとんどなかったのもあって

「こんなに痛いってことは、やんないほうがいいんじゃない?
 そもそも動物だったら必要ないんじゃ?」

と思い始め、夫にも

「何か変だよ、頭で考えるより
 体が絶対だめって言ってる気がする」

と伝えて、自然に胎盤が出てくるのを待つことにしました。

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■どれくらい待って大丈夫かを調べてみる

それでもやっぱり不安になるのが人情ってもの。

明け方、夫から
「朝になっても出てこなかったら
(近所の)M医院に行こうか」と言われ、

「友達も翌日まで待ってみたって言うし、
 もうちょっと調べてみようよ」と懇願。

夫がWeb上で情報を探しまくって、
胎盤を14時間待った人のブログ記事を見つけ、
全文を読み上げてくれました。


そのご夫婦が参考にしている自然分娩の本には、
江戸時代のお医者さんの文献から

「胎盤を1日2日待つのは当たり前、何日も出てこなくても問題ない」

と引用してあったそうです。

極めて冷静で論理的な書き手さんだったので信頼できると感じ、
私たちも落ち着いて待とうと腹をくくりました。

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とはいえ、

 ちょっとだけへその緒を引っ張ってみたり
 (ウンともスンとも言いませんでした)、

 おっぱいを刺激して子宮の収縮を促進させてみたり、

多少のちょっかいも出してはみたんですが。

どうにも出てこないので、朝には
「もう、そのうち出てくるやろ〜」と開き直り、なるべく寝ました。

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(出産から16時間、まだまだへその緒でつながっている頃)


■出産から20時間弱、ついに胎盤が登場

1〜2時間おきの不規則な後陣痛はずっと続き、
何度かは産道がぐわっと広がって
(胎盤が)産まれる〜!と期待させるも、空振りばかり。

フェイントばっかりじゃんかーとつっこみたくなってきた13時半すぎ、
ついに大きな後陣痛の波がきて、かなり大きめの胎盤が出てきました!

なぜか、小さめの赤ちゃんを産むくらいのボリューム感。

赤ちゃんと違って頭もないし柔らかいし、
変形しながら出てくれて楽なんですが、それにしても大きい・・・


出るときは夫が洗面器かホーローおまるを構えて胎盤を受け取り、
重さも量ってくれました。

平均的な胎盤は500gなのに対し、なんと、776g!
どうりで大きいと思ったよ!! (鶏肉売り場を思い出すとボリュームが伝わるかと)

赤ちゃんの誕生から胎盤が出るまで、
実に19時間37分!

我ながら、よく20時間近くも待ったものです。拍手!

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■大量出血タイプと思っていたのに・・・

胎盤が子宮からはがれると出血が起きます。

私の出産は毎回、出血が大量で、
次女のときは脳貧血で何度も卒倒していました。

血が止まりにくい体質なのかと思っていましたが、
なんと今回、最も出血が少なかったのです。

存分に子宮が収縮した状態で胎盤が出てきたのは、
4度目の出産を迎える母体が、
ダメージ(出血)をなるべく減らすように
調整してくれたのかもしれません。

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(臨月、義実家との家族旅行は楽しかったな〜!長女が目をつぶった写真しかないのが残念だけど)


■産後の出血を布で受け止める心地よさ

骨盤をさらし(産後ケアベルト)でぎゅっと締めてもらい、
古いおしめを3〜4枚あてた上から産褥ショーツを履かせてもらうと、ひと安心。

脱ケミカルの一環で今回、初めて
産褥パッドを1枚も使わずに産後を過ごしました!

たくさんの古おしめをじゃんじゃん交換していったのですが、
これが極上の肌触り♪

今まで使っていた産褥パッドとは
比較にならないほどの気持ちよさでした。

(布おむつ派のみなさん、
 汚れが気になるおしめは捨てずに取っておいて、
 次のお産でぜひ産褥パッド代わりに使ってみてください^^)

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■胎盤料理人、メニューが増える

胎盤が出てから切るつもりでいたので、
赤ちゃんと私はへその緒で19時間以上つながったまま。

胎盤が出たら消毒した紐で縛り、
二つの紐の間を消毒したハサミで切りました。


へその緒を切ったあと、夫は胎盤の下処理に取り掛かり、
今回またレベルアップした美味しい胎盤料理の数々を作ってくれました!
⇒前回の胎盤レポはこちら
胎盤を食べる 〜レシピと感想〜


前回と同じ刺身(生姜醤油で)&煮付けだけでなく、
ボイルしてレモン塩をのせたおしゃれなものと、
塩して焼いた焼肉風まで!

夕方から翌日にかけて、大喜びで食べまくりました。

前回に比べて、食べても食べてもまだある、と驚くくらい、
やっぱり今回の胎盤は大きかったです。

※胎盤のさばき方(!)を夫が教えてくれたので
 胎盤レシピについてはまた後日、詳しく書く予定です。

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(あまりにも美味しそうな胎盤料理をうらやましがる子ども達。超レアメニューの目玉焼き登場で満足)


■胎盤は無理にでも早く出すべきか?

胎盤が剥がれるまでは普通、大きな出血は起きません。

胎盤が剥がれた後、
傷口(胎盤のついてた箇所)が早く閉じるためには
子宮がなるべく早く収縮したほうがいいわけです。


「万が一、子宮がすっかり収縮してしまって
 胎盤が出られなくなったら大変」

ということを、何人かの助産師さんから聞きました。
でも、実際にそれを見たことがある人はいないようです。


もしも子宮内に、剥がれた胎盤が居座っていたら
子宮の収縮を妨げてしまい、傷口が塞がるのが遅れるため
出血多量の危険性がある。

だから、胎盤はすぐに出す必要がある。

・・・これが、今の医学的な言い分。


そのため、「正しい医療的措置」として

 外から子宮を押して胎盤を押し出したり、
 手を(!)突っ込んで掻き出したり(陣痛よりも痛い&大出血)、
 手術で剥がしたり(大出血、また子宮摘出になる場合も)、

するのです!!!

病院にいる限り、まな板に乗った魚状態。
こうした処置は緊急性が高いとされ、ほぼ拒否できないのです。
次女のときに痛感しました)

胎盤などの残存物が自然に出てくるまで数日待つ、なんてことは
医療機関においては、ゼロなわけです。


※近い話で、お医者さんは「会陰切開は必須」と習うそうです。
 必要あるなしの判断以前に、それが「最善」と思って、ハサミで切る。
 大切な体に有無を言わさずハサミを入れられる女性の無念さ・・・

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さて、実際に、産後も胎盤が体内にあったらどうなるんでしょうか。
産婦人科医でも助産師でもない私なりに考えてみました。

 異物(というよりは不要になったモノ)が体内にあったら、
 健康であれば、「出す」はず。


実際、私の子宮は胎盤が出るまでにかなり収縮していて
ハンドボールより小さいくらいだったので
「あ〜今回の胎盤はよっぽど小さいんだな」と思っていたら
まさかまさか、自分史上最大の胎盤でした。

もうね、収縮した子宮に
胎盤がギッチギチに詰まった状態だったろうな、ってくらい。

(ただ、胎盤が出るまでに骨盤をベルトで締めてしまっていたら
 出すのに難儀したかもしれません。
 大きい胎盤を出すため、また大きく大きく広がる必要がありますから)

「動物としての自分を信じる」
そんな思いで待てたからこそ、体が素直に後産を進められたように思います。

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もちろんケースバイケース、

 胎盤が出る前から出血し続けていたり、
 帝王切開や人工中絶のあとのお産で胎盤が出ない場合など、

確実に病院に行くべき状況も、もちろんあるのでしょうけれど。


「癒着胎盤」などで調べれば調べるほど、

 死ぬほどの痛みを経験したり、
 大出血で出血多量で命が危険になったり、
 子宮を失ったり、命を落としたり。

それって、「余計な医療介入」のせいじゃないかなぁ。
と、感じるのです。


例えば、脈やら血液成分やらを計測しながら、最大7日までは待ってみる、
なんてことをやる病院がひとつでもあれば、きっと温故知新。
今の医療界の常識を覆す大発見が、続々とあるかもしれませんね。

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■大活躍の夫に感謝、みなさんに感謝

お産の日の朝起きてから、思いがけず40時間近くずっと起きたまま
私の世話、赤ちゃんの世話、そして家事育児に胎盤調理まで、全力疾走してくれた夫。

もしも病院に行ってたら、激痛処置と大量出血、または大手術で子宮摘出・・・
などの憂き目にあっていたかもしれません。

今の私の命があるのも、健康な産後を過ごせているのも、
すべて夫のおかげだと思います。心から、ありがとう〜。


もちろん、的確なアドバイスをくださった医療関係者のみなさんや
貴重な体験談を聞かせてくださったプライベート出産の先輩方にも、感謝しています!

蓄積したプライベート出産のためのQ&Aや、
実際に実行した対処法などはまた後日^^

行政の手続きなんかも、書きたいことがいっぱいです〜
ではまた♪


シリーズ一覧:続きが書け次第、更新します(行政手続きや胎盤レシピがまだなのです)
 プライベート出産記(1)自宅出産難民
 プライベート出産記(2)お風呂で産んでみた
 プライベート出産記(3)胎盤が19時間以上出てこない
 プライベート出産記(4)医療的Q&Aと実践したこと



* * * お知らせ * * *

5月からは夫が地域おこし協力隊として勤務を開始。
なかなか雑草屋の活動はできず、お知らせは特になく・・・

代わりと言っては何ですが、
5月とは思えない暑さが続いたので、暑さ関連の記事をピックアップしてみました。

あたらしい熱中症対策

あせもの理由

半纏(はんてん)を家で洗う方法

移住先での梅雨寒がどれほどか計りかね、まだまだ半纏を片付けられません。
昨夜は夫も半纏を着ていたし!まだわからんなー。。。



* * * まかない日記 * * *

今の家では、無限によもぎが手に入るので
草刈りのついでにささっとボウルにためて持ち帰ることが多いです。
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スペアミントもたくさん刈れてしまうので、一緒にお持ち帰り。

植物性の材料だけでスコーンにしました。
よもぎは下茹でなし。甘みは去年の梅酵素シロップで。
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オーブンがまだ出てこないので、中華鍋でじっくり。
上下をよく焼いて充分に膨らんだあと、側面も焼いていきました。

焼けたー!
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奥のドリンクは、ミントティー。
沸騰したお湯にスペアミントを何枝か入れ、2〜3分でミントを取り出し、冷ましたもの。
すぅーっとして、後味が甘くて(ステビアみたい!)、格別のさわやかさなのです^^

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毎日よもぎに囲まれている贅沢さよ!
ごちそうさまでした♪
posted by miya at 22:09| Comment(0) | 妊娠・出産 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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