一昨年の夏、ジャガイモの収穫もピークを迎えるという頃
夫がいきなりのギックリ腰に見舞われた。
束の間の帰省中で、このままではつくばに帰ることも難しい。
さすがにギックリ腰はしばらく治らんだろうな〜と思って
一夜明けると、夫は倒れたままで、何かを検索している。
スマホで調べ当てた、とある本を家族が図書館へ借りに走り
夫はその本を熟読していた。
そして読み終わるなり
「俺、もう治ったよ、歩ける」と立ち上がる夫! ええー!
読んだ本は『サーノ博士のヒーリング・バックペイン』。
腰痛や肩こり、頭痛などの痛みは、
脳が過剰なストレスをかわすために身体に引き起こしたもの、
そのストレスを認識することで脳の戦略に打ち勝てば
痛みは消える、というのがその本のだいたいの主旨である。
これを認識療法(TMS理論)と呼ぶらしい。
方法は、ただひたすら、ストレスを数え上げて行くだけ。
義実家と私の誰もが信じられなかったが、
現に動けなかったはずの夫がギックリ腰から復活している。
ただ、さすがに魔女の一撃と呼ばれるギックリ腰では
筋肉に引き起こした強烈な痛みの余韻がしばらく残る。
数日安静に過ごし、つくばに戻った夫は、自分を実験台に
あらゆる症状をTMS理論に基づいて克服していった。
まず、ヘルペス。
夫は仕事が立て込んで疲れがたまると、口の周りに
口唇ヘルペスを発症する。いつもは塗り薬を常用していた。
これも発症のごく初期に、自分の中にあるストレスリストを
30だか50だか書き連ねていって(心の中でもよい)、
「いいんだよ、お前はよく頑張ってる。
そんな症状で気を紛らわせなくても大丈夫。
ちゃんとストレスは認識したからね〜」
と脳に語りかけると、ヘルペス発症の前兆は消えてしまう。
次に、花粉症。
夫は私よりも重い花粉症で、
いつもスギをうらめしく見あげていた。
春先の畑には防塵マスクにゴーグル、帽子と、
ナウシカのユパ様みたいな出で立ちが定番だった。
(過去記事参照:「ふんがー」)
ところがどっこい。
1月頃から自分に語りかけ、ストレスを認識し、
2月、3月と暦が進むにつれて、
花粉症に特徴的な目のかゆみ、鼻水などは、
ふわっと発生しかけるものの、
ストレスリストの羅列と脳への語りかけ
「大丈夫だよー、そんなことしなくてもいいんだよー」
で、ふわっと症状が消えていったのだった。
ポイントは、痛みやかゆみなどの症状が出たときに
「あー!痛い!かゆい!」
と、その症状にとらわれてしまわないこと。
症状にとらわれると、ストレスから気をそらせるという
脳の巧妙な策略にまんまとはまってしまっており、
ますます痛い・かゆいなどが増長していくのだそう。
こうして、偏頭痛、肩こり、腰痛などなど
日常の色んな痛みから次々に解放されていった夫。
私にも手ほどきしてはくれるのだけど、
「倒れて眠りたい私」「痛くて労わってほしい私」は
つい症状に身を委ねてしまい、きちんとできない。
でも少しずつ、ストレスリストの列挙はうまくなった。
例えば家族で車に乗っているとき、腰が痛くなってきて
「腰が痛い・・・」と呟く。
すると夫が
「TMSだよ、はい、ストレス20個あげてごらん」と促す。
出発前に洗濯全部終わらなかった、掃除できてない、
お弁当作り大変だった、髪切りたい、メール返してない、
夜中のおむつ換え多くて疲れた、母に電話してない、
友達に返信してない、ブログ書きたい、庭散らかってる、
美味しいもの食べたい、料理したくない・・・
「あと8個!どんどんどうぞ〜」
来週のイベントやだ、お向かいさんに嫌なこと言われた、
畑のじーさんに意地悪された、次女の爪切れてない、
長女のズボン直してない、ネズミ嫌い、ゴキブリ嫌い、
野良犬だいっきらい。
「こんなんでいいのか?」と思う些細なこと、
くだらないこと、子どもには聞かせられないことも、
心の中でいいから片っ端からあげていくと、実は50くらい
あっという間に見つかるのだった。
※長くなるので(2)に続きます〜。
* * * お知らせ * * *
こぐま塾アグリコースでは、田んぼのお米と畑の大豆が
お味噌に向かって着々と進んでおります〜。
いろいろアップしているので良かったら覗きにきてください^^
子ども達も奮闘しております!
・大豆の収穫からお米の精米までの様子
・大豆の脱穀と選別について
また、つくし農園の1月の様子もまとめてアップしています。
実は夜明け前から芋の皮むきしまくった、
嫁渾身のけんちん汁も登場します。
・1月集合日および1月臨時集合日の様子
* * * まかない日記 * * *
新巻鮭のアラで濃厚スープをとって、じゃがいもスープに仕立てました。
かぶの葉を散らして。
黒い器は、この夏のグリーンカーテンで1つだけ実った冬瓜。
種取りしたから、来年はもうちょっと育てたいな〜。