「お〜い、これ食うかーー!?」
けたたましい鳴き声と共に、
隣のおじちゃんが我が家の坂道を登ってきました。
手には逆さ吊りになったオンドリが二羽。
「わー!」「きゃー!」「こわーい!」「なんでー!?」
4人の子ども達はそれぞれに叫んで、隠れたり近寄ったり。
「羽をこーすっと、静かになんだ〜」
翼を背中でねじり合わせて掴むと、
雄鶏たちはふっと静かに・・・。
私は実家や近所が皆、鶏を飼っていて
それなりの頻度でさばいて食べていたので
(自分ではさばけないけど)異論はありません。
夫が受け取って、
あっという間にさばく段取りが決まりました。
(後ろ姿がやたらカッコいい、隣のSちゃんは、このあたりのボス!)
頭を落として、しばらく吊っておき。
血を抜いている間に、
焚き火にかけたお鍋ではお湯が沸かされていました。
どうやらさばく前から、お湯の段取りをしておいたようです。
お湯につけて、羽根をむしり取って。
「もうお肉になってきたよー!」
現金な子ども達が、走り回って報告してくれます。
皮に残る毛根は炙ると取れるらしいけど
熾き火の炭に鶏を押し付けて焼いていったそう。
( ↑ これが後で燻製香として大いに役立つこととなる)
炭と毛根を洗い落として、ずいぶん綺麗になりました。
ここからは台所に運び込んで、部位ごとに分けていきます。
普段はお肉を食べないから肉切り包丁も持っていなくて、
土佐打ち刃物の小さな包丁がボロボロになったのは悲しかったな・・・。
ま、とにかく無事に二羽のオンドリがお肉になったー!!すごーい!
夫から私に、バトンが託されました。
冷蔵庫なしの我が家で、二羽分のお肉。 さぁどうする〜!?
<鶏肉の調理&保存、冷蔵庫なし生活でやったこと>
・内臓 ⇒ 煮付け
・鶏ガラ ⇒ 鶏ガラスープ
・むね肉、もも肉、手羽肉 ⇒ 塩漬け
ここからは簡単に記録をしておきます。
なにしろ真夏!!腐る!傷む! 作業は時間との戦い。
まずは一番心配な内臓系を火にかけると、安心して他に取り掛かれます。
(1)内臓の煮付け
奥のハツ、レバー、精巣などは自家製めんつゆ&しょうがで簡単に煮付けるだけ。
小鍋に内臓を入れ、めんつゆドバーッ、日本酒ちょちょい。
畑で採れた自然農の生姜を35度以上の玄米焼酎につけてあるので
その漬け汁をトポトポ〜ッと入れました。ふわんと広がる生姜の香り♪
内臓にしっかり火が通ったあとは、
こんにゃく、長ネギなど、毎日ちょっとずつ具を足して
鶏のダシがきいた濃い味の煮物としても、楽しみました。
煮汁は最後の一滴まで、スープや炒め物に使いきりました。
(2)鶏ガラスープ
スープの本を引っ張り出して、
「鶏ガラ2羽分」の材料がちょうど揃っていることにホクホク。
長ネギの青いところ1本分、粒こしょう大さじ1とともに
鶏ガラ2羽分を3リットルの水から煮込んで、煮立ったら弱火で小一時間。
本格鶏ガラスープは、唸るほど美味しかったです・・・!!
毎日いろんな料理に使いまわせるので、鶏肉も入れたままキープ。
●チキンスープ
洗ったもやし、オクラなど、その日その日の食材を入れた小鍋に
鶏ガラスープと水を半々に加えて火にかけます。味付けはシンプルに塩と胡椒で。
毎日絶品スープがあって、幸せだったなぁ〜〜〜♪
●鶏ラーメン
野菜炒めの残りと鶏ガラスープ、味噌などを合わせて。
茹でた中華麺を入れたお汁椀に具ごと注ぎいれると、鶏ラーメン。
●お野菜たっぷりカレー
鶏ガラスープの最後に残った鶏ガラを入れました。
(3)塩漬け
むね肉、もも肉、手羽肉は、どれも骨付きのまま。
(さばくのに力尽きたとも言う・・・)
長期保存しようとすると色々手間がかかるし、
万が一失敗したときに落ち込むので
1週間以内に使う前提で、軽く塩漬けにしておきました。
半分は2%の塩分で、残り半分は5%の塩分で。
悔しいけどジッパーつきポリ袋のお世話になります。
袋に入れながら重さを量り、
塩の量を計算して加え、全体にまぶしてモミモミ。
気休めに、室温があがりやすい台所ではなく、
お風呂場のクーラーBOX(冷やしたいものを入れてスーパーでもらった氷を入れる)に保管。
数日は涼しい環境で置いておけそうでした。
【塩分2%】の塩漬け肉は
自家製豆乳ヨーグルトとカレー粉、クミンパウダー、おろしニンニク&生姜、塩で
「タンドリーチキン」を仕込みました。
が!!焼いてみたら、
皮が!筋が!固いのです〜〜(涙)!
子ども達は意地で手掴みで食べきりましたが、私はハサミでチョキチョキしました。
ケージ飼いのブロイラーよりも筋骨隆々、こっちが本当の鶏の味わいなんでしょうね。
骨から肉を切り離して、きちんと切ってあればもうちょっと柔らかくなったのかなぁ。
でも、皮のぶ厚さとゴムのような弾力の強さは、どうにもならんよなぁ。
煮込み料理のほうがおいしく食べられるとわかり、
残り半分はカレーでじっくり煮込みました。
タンドリーチキンも、弱火で1時間位、じっくり炙れば違うのかもしれません。
(家族の外出直前に急いでフライパンで焼いちゃったのです〜)
鶏をさばいて二日後からは、
食べ盛りの甥っ子(中学生)が1週間泊まりにきました。
4〜5日はとっておく前提で作った【塩分5%】の塩漬け肉で
夫が日々、料理の腕を振るってくれました。
●鶏ハムの重ね煮
色んなお野菜とこんにゃくの重ね煮には、
5%の塩漬け肉を一番上にのっけて。
フタの上に重石を2つも載せて、しっかり圧力をかけて煮込んでいました。
そのとき家にあるものを順番に重ねていくだけ。
この日は、こんにゃく、きゅうり、じゃがいも、かぼちゃ、玉ねぎ、人参など。
最後にピーマンもさっと入れたのかな。
てっぺんでじっくり火が通った塩分5%の鶏肉は、
炭火で表面を焼いたこともあってか、
日本のハムではなくて、ヨーロッパの、本格燻製ハムの味わい!
安定の半裸ボーイも、うまいうまいと食べておりました。
●タイカレー
5%の塩漬け肉を使ってたっぷり作り、
毎日コトコト煮返していくと、最後はホロホロ〜ッと肉が骨からはがれました。
なんせ毎日7人が食べるわけですから
オンドリ2羽分のお肉は、10日もかからずになくなりました。びっくり。
甥っ子も家族も、みんな美味しくいただきました。
オンドリをくれた隣のおじちゃん、
あっという間にさばいてくれた夫、
冷蔵庫なし生活の中で調理と保存を頑張った私、
そして何より命を奪った二羽のオンドリ。
ありがとう、ありがとう。
「生き物を食べる」関連記事:
命を奪って食べている −生きたフナをさばく−
ザリガニを食べる ザリガニとジャンボタニシを食べる
ナマズの唐揚げと屋外調理、そして火傷… 海と蟹
近所で泳げる場所を探し回った夫、
上流にあがっていって、ついに見つけました!!
カニもお魚もいるよー♪
甥っ子を連れてきたくて探した場所ですが、滞在中はほぼ雨で、無念〜。
また遊びに来てね♪
(小さい子大好き!な中学二年生と、うちの4人で)
* * * お知らせ * * *
あせもで困ってる方、いませんか?
末っ子だけ、水の飲みすぎであせもになりましたよ〜。。。
大人が野良仕事のあとであせもになるときも、
食事を思い返してみれば原因がはっきりあるんですよね。ははは・・・
・あせもの理由
きゅうり、茄子、スイカ、ししとう。
夏の食材を食べきる記事もご紹介します^^
8月は忙しくて結局ブログが書けないから、一挙に!
・もったいない8 ピクルス液 干し茄子のピクルスも作ってます
・もったいない10 スイカの皮 糠漬けのおすすめ本も。
・もったいない11 辛いししとうの活用法 筋が固すぎるオクラも一緒に活用!
・もったいない12 完熟きゅうりでカレー(子ども編)
・もったいない12 完熟きゅうりでカレー(大人編)
きゅうりの自家製Qちゃん漬けをいっぱい作ったら、漬け汁が余りまして。
夏野菜の揚げ浸しに使って、さらに冷やし中華にして、炒め物の味付けにして・・・
と楽しくしりとり料理しましたよ。
・もったいない6 浸け汁
・もったいない9 揚げ浸しの汁
・もったいない13 揚げ油の活用法(&ゴーヤー ンブシーの作り方)
記録しておくと便利なもので、振り返りながら活用しています。
そろそろ「もったいない料理」も見やすくまとめたいなー
* * * まかない日記 * * *
住まいとは別に借りている古民家には、大きなビワの木があります。
この夏はビワの実が豊作で、どっさり採ってはおやつに、酵母にと大活躍でした。
傷んだ部分や皮と種を取り除いて水を注ぎ、毎日かき混ぜていると
数日でいい香りの酵母ができてきます。
ストレート法、元種法、両方で何度もビワ酵母のパンを焼きました。
水分多めのダルダルな生地を、昔は布取りして手粉たっぷり、で成型したものですが。
粉がもったいない!布も洗うの面倒!ということで、
最近はもっぱら深い鍋に油を薄く塗って焼いています。
写真栄えしなくてもいーのいーの、美味しいし、無駄がないんだから。
外はカリッと、中はふっくらじゅわっと。
冬にはこの古民家に引越す予定です。
やることがありすぎて、気が遠くなりますが、そろそろ気合い入れて動かないとー!