我が家は長女が4歳の冬に保育園をやめ、
それ以来、3人の子どもを順に家庭保育で育ててきました。
小さい子は保育園・幼稚園に行かせるものだ、
という風潮がとても強い日本ですが
どっちでもいいよ〜。おうちでもいいよ〜。
行きたいほう、過ごしたい場所で育ってね〜。
そんな子育てができたら、すごく楽チン。
私がここ6年ほどの家庭保育で感じてきたことを書いてみます。
◆幼少期の環境
私は子どもの遊びにずっと付き合うよりは、
勝手に野山で遊んでいてほしい。
好きなだけ本の世界に没頭しててほしい。
力いっぱい動き回り、全力で遊び尽くしてほしい。
と、考えています。
森のようちえんみたいな場所に連れていくのは
お母さんがずっと付き合わなきゃいけなくて、
私にはどうしても違和感がありました。
(女性が集まることへの苦手意識ももちろんあります)
なぜなら自分が幼い頃、
自分のペースで一人で遊べて幸せだったから。
ぼんやり自然の中で佇んでいたり、動植物と会話していたりで
母は幼稚園の先生にかなり深刻な相談
(もっと同年代のお友達と会話して遊べるように育てたいのですが、等)
をしていたようですが、私はどこ吹く風。
大人から離れて好きなように過ごせた幼少期が、
人生で一番、幸福度が高かったのです。
保育園でよく見かけたのは、
「○○くん!今は紙芝居の時間でしょ!パズルはお片付け〜!!」
「△△ちゃん!早く来ないとお歌始めちゃうよ!絵本はあとでー!!」
という声がけや、半ば強制的な抱っこ移動。
いま4歳と2歳の下二人を見ていると、
時間割にしばられない遊び方ができていて、贅沢だなぁと思います。
⇒関連:余白と英才教育
◆退屈の価値
子どもを飽きさせない、多彩なカリキュラムなんて
家庭保育では用意できないですが、
そもそも、めくるめくエンターテイメントは必要なのでしょうか?
私たち夫婦は、そんなにいらないと思います。
テレビをずっと見ている人が、
日常の素晴らしさを素通りしてしまうように、
刺激につぐ刺激を繰り返すような過ごし方は、
産まれて数年しかない幼少期の子どもの心に
本当は必要ないんじゃないかな、と。
手の届く範囲、子どもの足で歩ける範囲内が
子どもの広げる世界であり、学ぶ舞台だと思います。
退屈だ、つまんない、何にも面白いことがない・・・
保育園や小学校をやめて家庭保育やホームスクールに切り替えると
そんな発言が数ヶ月、長いと数年続くそうです。
何か面白いこと、が用意されている環境でずっと育ってきた分
身の回りのものから発見したり、生み出したりすることが
とても難しくなっているみたいです。(長女もそうでした)
退屈の果てに、渇望があって、
何かをひらめく、やり始める。
そんな、渇きからの遊びの探求は、
どこかに通っていたらなかなかできないと思います。
◆子どもの社会性
長女で言えば、4歳で退園するまでは超シャイ。
恥ずかしがってご近所の方に声を出してご挨拶なぞできませんでした。
が、いざ退園して家庭保育に突入すると
毎日ヒマだヒマだのオンパレード。
観察していると、
成長に必要な、関わるべき人数というものがあるらしく、
次第に近所の色んな方に挨拶をして、
立ち話をして、犬のお散歩にくっついていったり、
日中遊んでもらうようになっていきました。
同年代の子どもたちだけで集まって過ごしていた保育園時代には
まず見られなかった光景でした。
⇒関連:ご近所さんに見守られ 旅先の人々2
子どもの社会性は、こんなふうに
自ら獲得していく気がしています。
子ども自身が必要になったら培っていく、そのタイミングで
例えば最初は一緒にお散歩して挨拶するなど、
必要に応じた手助け(だけ)をすればいいんじゃないでしょうか。
◆母親の社会性
家庭保育を選びたいのは、
母である自分が人付き合いを避けたいからかも?
子どものためには何がいいんだろう?
というご相談をいただいていたので、
私個人の体験についても振り返ってみました。
私、本当に人見知りなので、集団の中では
何か役職(係)がないと存在できないんです。
クラス委員然り、生徒会然り、サークル活動でも何でも。
特に女子同士の、水面下のグループ区分や陰口が本当に苦手で、
ママ友なんて単語は恐怖でしかありませんでした。
で、一人目の長女のときはもちろん児童館なぞ行ったこともなく。
職場復帰に備えて生後10ヶ月くらいから保育園に預けましたが、
よその親御さんとお友達になるハードルが高かったので
なりゆきから、保護者会の役員になりました。
役員はみんな逃げ回っていたのでとても喜ばれました。
今思えばこれはいい体験になりました。
直後からシングルマザー生活が始まったため、
別の保育園に移ってからも
子育てでよそ様の助けを借りることもあるだろうと
進んで保護者会の役員に。
園全体でも専業主婦が1人しかいないくらい、
共働き率が高かったこともあって
いい意味でビジネスライクなさばけた知り合いが増え、
お陰で過ごしやすい保育園生活でした。
仲良しグループなど考えなくてもいい組織体制は、
私にはとっても合っていたんです。
その後、再婚を期につくばで自然育児の会に入ったんですが
子育てサークルなんて、母親の集団でしかないわけです。
あちこちの女子グループの塊(に見える)に勝手に疎外感を感じ、
集まりのあとはいつも逃げ帰っていました。
半年以上孤独な状態を続けたあげく、
結局スタッフになることで、やっと会話できるように(笑)。
役割がないと会話するきっかけも作れないのはお互い様で、拍子抜け。
なんだかんだとスタッフを長く続けさせてもらいました。
しかし、いったんスタッフじゃなくなると人見知りモード再燃!
子育てで人付き合いが苦手とか言ってらんないでしょ、
と世の中で叩かれるかもしれませんが、
常にオープンでウェルカムな明るいお母さんじゃないとだめな社会って
私は、窮屈だと思うのです・・・。
引越し、夏の体調不良期間(完全なるひきこもり)を経て、
まだ女性の集団に入っていけるコンディションではないので
ご近所のお母さん方には挨拶だけして、
またひきこもっていたいなぁ、なんて。
よっこらしょとハードルを超えられる時もあれば
ずぶずぶと泥の中に沈みこむような時もあって、
それでも家で過ごすことを許される状況なんだったら
子どもに付き合ってのんびり、
マイペースに家庭保育ができると思います。
良くも悪くも、働くお母さんになっちゃうと「それどころじゃない」ので
あれもこれもそこそこうまく済ませて乗り切る日々、になっていきます。
◆父親の社会性
日本はまだまだ、
父親は仕事、母親は子育て(仕事してても)。
子ども関連の集まりに父親は顔を出さなくてもいいのに、
母親が行くのは当然のような空気があります。
うちの夫はこういう場所には来ないんですよ〜
とか言ってもらってる旦那さん、羨ましい!代わってほしい!!
と切に思います。
我が家は夫のオープン期とひきこもり期がはっきりしていて
オープン期には、なるべく可能な範囲で
仕事や勉強会などの外出に子ども達を連れていってくれるので
それによって子ども達の世界も少しずつ広がっているようです。
◆おわりに
幸い、小学校に比べて
保育園や幼稚園に行かないことはずいぶん簡単です。
子どもの数だけ、適した環境が異なると思います。
(もちろん、親の数だけもね)
誰もが変化しうる存在であると同時に、
無理はしなくてもよくて。
例えば、
ママ間でずっと仲間はずれで辛いけどわが子のために我慢しなきゃとか、
厳しくて毎日子どもが泣くけど将来のためにこの園に通わせなきゃとか、
そんなことは、決してないと思っています〜。
家庭保育でも保育園・幼稚園でも、
我が子にどんな幼少期を過ごしてほしいか、
どんな体験を大切にしてあげたいか、
その時その時のお子さんや家庭の様子を見ながら、
柔軟に考えていけるといいですね^^
コメント欄でいただいたご質問へのお返事、
項目ごとに記事にして書かせていただいてます。
あと3つほど記事を予定しているので、
お待ちください〜 >ゆりさま
関連記事:余白と英才教育 家庭保育とホームスクールの様子 −秋− ご近所さんに見守られ
※後日追記※ 「ホームスクール」シリーズ書きました!
家庭保育と社会性
ホームスクールを始めたきっかけ
ホームスクールを始める手続き
ホームスクールあるある&質問集
ホームスクールの合法性
* * * お知らせ * * *
ひきこもり当事者・経験者限定の企画、
・10月12日 森の新月カフェ「10月はガチ!」@筑波山
・10月23日 新月カフェ @つくばスタイル館
23日のほうは、夫が参加予定です^^
* * * まかない日記 * * *
まだちょっと料理したい体調ではない日が多く、
最近は9歳の長女が三食ほぼ作ってくれることも。
若杉ばあちゃんのレシピ本を見ながら
きんぴらの作り方を覚えてくれました。
ちー定食!
(まだまだ食器棚も食器も福島から運べていないので、お弁当箱)
おいもごはん、人参とピーマンのきんぴら、根菜とわかめと油揚げのお味噌汁。
長女に自然食や食養、マクロビ系の料理本をざーっと並べておくと
家にある買い置き食材から見繕って、献立を立てられるようになってきました。
いやー、食欲という根源的で大いなる欲望に突き動かされての、熱いお料理熱!
お世話になります♪ごちそうさまでした!