職人に憧れる。
それは、夫の周囲に自営の方が多いこと、
それぞれにプロフェッショナルで輝いていることも影響しているけど、
寝て起きて、ひたすらにその専門の仕事を極め、
淡々と、延々と、その道を静かにひた走る、
そういったシンプルさに焦がれてのことでもある。
何の職人になりたいのかもはっきりしないけれど、
『黙々と作る人』になれたら、私の魂は、すこぶる嬉しい。
本当にやりたいことは、すでにやっている、のかもしれないし
まだまだ、ただの途中経過かもしれない。
ここ数年、ごくたまに、
夫が育てた自然農のライ麦で小さな飾りを作り、
細々と直売に出してきた。
ヒンメリ、というその飾りは
北欧の民の祈りが込められるという。
(色のわずかなグラデーションで選別して作る『4色ガーランド』。)
日本でも少しは流行ったので、直売していても
「100均のストローで作れるし〜」
と言われたことも、多少はあった。
けれど。
(「黄」は、光るべっこう色。)
直に、生きた素材であるライ麦の茎を選び、
汚れを拭き、水に浸し、内部の汚れを取り、
太さや色合いを確かめながら長さを決め、慎重にカットし、
(「白」は、象牙のようなとろりとしたコクがある。)
同じく自然に還る素材であるタコ糸で
藁を傷つけないように丁寧に繋ぎ止め、縛り、
形を作り上げていく、
(「赤」。ほお紅のような淡いものから、くっきりと朱の線が入ったものまで豊か。)
その工程のひとつひとつにおいて
自然への畏敬の念や感謝が指先から紡がれ、
まさしく何かが宿り、祈りが込められる。
(「黒」は、まるでバーナーで焦がした木工家具のような風合い。)
得意の木工仕事で、
壊れにくい実用性の高い本棚や家具を作るのとは
また違ったジャンルに、ヒンメリというものがいる。
イベントで繰り返し買ってくださった方のお店に
2年以上かかって、やっと、訪れる勇気が出た。
全然飾ってなかったら、気まずいかなぁ。
と思いつつ、顔も忘れてくれていればいいやと、行ってみた。
ヒンメリは、お店の風景として、すっかり馴染んでいた。
お腹の底から、じわ〜っとあったかい気持ちになった。
こんなことは、はじめて。
昔パン屋さんに納品した本棚や、レストランに納品した棚は、
本当に自分の持ち技の少なさに(今でも)いたたまれなく、
使い勝手とか、デザインとか、もっと考えればよかった・・・
と、作品から目をそらしながら来店する状態。
でも、ヒンメリに関しては自分の心のままに作って
それを気に入った人が飾ってくださる、
そういうものだからか、心穏やかに眺めることができた。
何か、職人になれたらいいなぁ。
やってみたいことはいっぱいあるんだ。
そう話すと、夫から
形に残るものが好きなのかもね。
と言われた。
そうかもしれない。
私が生きている証拠を、ひとつひとつ積み重ねて、
足跡みたいに確かめながら生きるのが、安心するのかもしれない。
いつ何が起こるかわからない人生。
何度か事故に遭ったから、
いつでも悔いのないように。
やりたいことを、つまみ食いでもいいから、やっていこう。
(畑仕事の子守りにといわきから駆けつけてくれた義父母と。SALON DES CENTさん、ありがとうございました!)
* * * お知らせ * * *
来週も、慢性的な症状を解消しようの勉強会、ありまーす。
7.25(火)第21回 マインドボディヒーリング(心身治癒法)講座〜頭痛も腰もまとめて体質改善!
私の予定に合わせて開催してもらえないかな〜という方、ご連絡ください。
営利目的ではありませんので、お気軽にどうぞ!
最近は出張も始めました。みんなでラク〜になりましょう^^
* * * まかない日記 * * *
6月に千葉のSさん夫妻にごちそうになって以来、
よもぎをまるっと入れたスコーンにはまっています。
庭のよもぎをぷちぷちっとちぎって、ぽいぽい放り込んで作るスコーンは
半分くらい青じそを入れても美味しい。
地粉と、自然農の小麦ふすま、ベーキングパウダー(アルミフリー)、塩を混ぜておき
米油やなたね油を混ぜ込み、水を足して混ぜ、野草やナッツを混ぜて焼くだけ。
190℃で20分くらいです。
甘さがほしいときはレーズンを入れますが、葉っぱを楽しみたいときはレーズンなしで。
3歳児から40歳児まで、好評です^^
さてはて。
家の中が片付かず、でも子どもたちが楽しそうだからついついそのままに・・・。
職人への道のりは遠いなぁ。はっはっは・・・