田んぼと畑で食糧をほぼ自給していた。
核家族世帯だったし、祖父は国鉄に勤めていたから、
野良仕事は祖母の仕事で、娘たちがその手伝いに回った。
「夏休みってば、どーっこにも出かけたこと、ねがったもんなぁ」
おばが笑う。
「朝、おにぎりと一斗缶持たされて
日暮れまでずーっと田んぼに座って、二人でスズメの番。
チュンチュンチュンって飛んできたら
一斗缶を棒でガンガンガンガンガン〜って叩ぐのよ」
「夏休みの宿題で絵日記出たってばヨ、
毎日田んぼ、田んぼ、田んぼ。それしかさねぇもの」
「夏休みってばもう、一斗缶と田んぼ、ナ」
姉妹で懐かしそうに笑う。
自分たちの食べるお米。
文句も浮かばない、当たり前だと話していた。
私たちの田んぼも、
スズメの襲撃が激しさを増している。
さー、スズメ警察の出番だ。
ガンガン!ガンガンガン!
一輪車を棒で叩いて、スズメたちを追い散らす。
農園のプレーヤーさんそれぞれが苦心して拵えた
鳥除けネットやキラキラテープの狭間で、ゆーらりゆらり。
夫の作った案山子も頑張ってくれている。
田んぼのカカシだから「タカシ」。
風でくるくる揺れる、なかなか画期的な案山子だ。
次女もなかなか強い意志で任務についている。
スズメ警察、乳児部隊、しゅつどう!
見よ!このキリリとした顔!
スズメの偵察を察知してはガンガンと音を立てる働き者だ。
鳥よけネットを外し、睨みをきかせながら稲刈りを進め、
干し場で順に稲架へかけていく。
全面をネットで囲み、干した稲束を更にネットで包む。
命がけで突入してくるスズメたちとの真剣勝負。
夫によれば、2〜3年前まではこんなこと一切しなくてよかったそうだ。
今、つくばのスズメは、大開発の波に追いつめられている。
刈り終わったのは、香り米。
途中なのが、赤米の神丹穂と、ウルチの豊里。
まだ実りを待っているのは、緑米と、黒米。
夫も書いているとおり、ひたすらひたすら、稲刈り。
田んぼも、干し場も、スズメとの知恵比べが続く。
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* * * お知らせ * * *
・こぐま塾、10月集合日の様子をアップしました〜!
来月の脱穀が楽しみですね♪
・めぐるキッチン、13日(金)開催です。
お母さん達に参加してもらえたらな〜と平日にしてみました。
つくば近郊の方、ぜひいらしてくださいね。
* * * まかない日記 * * *
子どものお気に入り、『塩パン』。
日によって「ねぎパン」か「にんじんパン」になります。
ふすま、地粉を同量混ぜて、細かく刻んだ人参の葉っぱか
小口切りの青ねぎをどっさり混ぜます。
イーストかベーキングパウダー(アルミフリー)を加え、塩を少量。
にんじんパンの時は白ごまを入れたり、
ねぎパンの時は鰹節粉とみじん切りの茄子を入れたりします。
水か、麺類の茹で汁を入れてポテッとなるまで混ぜたら
スプーン2つで丸く落とし広げ、フライパンやオーブンで焼くだけ。
なかなか味わい深く、焼きたて最高!
冷めるともっさりしますけど(笑)、畑のお供に活躍しています。