田んぼに大勢いるアメリカザリガニ。
日本の水辺の生態系において、強烈な破壊力を持つ。
うちの田んぼでは、子供の頃に田舎でよく見た
タガメやゲンゴロウを見つけられない。
日本の農家が農薬を使ってきた結果、
タガメもゲンゴロウも絶滅しかかっている。
その点、アメリカザリガニは強靭で、元気に繁殖している。
小学校でアメリカザリガニを水槽で飼育して、
持ち帰った子ども達はお母さんと一緒に
「可哀想だから川に放してあげようね」と放流・・・あるある〜
そして日本中でアメリカザリガニは増え続けているそうだ。
さて、そんなザリガニとの因縁の対決。
彼らは稲をチョキンチョキンと
切ってしまう。
夫は何かに執念を燃やすような人ではないらしく
ザリガニの被害も割と平然と傍観しているが、
私は「せっかく植えたのにー!」という思いと、
上述の理由で「外来有害生物、憎し」が根深いために
七転八倒しながらザリガニと
闘ってきた。
こぐま塾でもザリガニ罠を作ってみたり、
捕まえたのは鳥にやったり、
草刈りを丹念にしてカラスにザリガニを食べてもらったり
色々してきたと思う。
そして今年の秋、ついに食べることにした。
巷ではザリガニフェアが話題になり、
欧米のザリガニ食情報が流れてきたことが理由のひとつ。
そして、食べるために家畜を肥やして食べ、廃棄し、
獣害で捕まえた鹿などは消費しきれずに専用焼却炉で燃やし、
といった人間の所業を考えるにつれて、
「捕まえて、殺して、食べる」ということについて
少しずつ考えがまとまってきたことが、もうひとつの理由。
自分の手の届く範囲内で、
自分が獲得・補殺できる現実的なサイズの
動物性たんぱく質を時折食べる、そのくらいが
身の丈に合っているし、無理がないと思うようになった。
まだイナゴは食べられないけど、
せめてザリガニくらいは食べてみんとねー!と腰を上げた。
つくし農園の
集合日、
何かと玄人の域に達しているプレーヤーMさんが
ひょいひょいとザリガニを捕まえてくれるので、
長女が持ち切れないほどの数になって、麻紐でしばってみた。
わらしべ長者が藁でハエをしばったように。
このまま自宅に持ち帰って、タライに水を張って2〜3日。
水を換えながら泥出しする。このあたりは全部長女の仕事。
きれいになったであろう3日目、いよいよ調理。
小鍋に入れて台所に持ち込み、水を入れてフタをしてシェイクする。
これで最終の水洗い。あぁ、すっごい睨まれてる。
にんにくオイルをフライパンで熱し、ザリガニ達をイン。
もがき苦しむ様子は恐ろしく、
あぁ、動物を殺して食べるってこういうことだよな、と実感する。
ごめんなさいごめんなさい、大切に食べますから許してください、
と呟きながら、フライパンにフタをして火を通した。
万が一、甲羅や足の付け根が泥臭かったらと思って
今回は素揚げにせず、中身だけを食べるようにソテーとした。
じゃがいものハーブグリルと、採りたてのオクラを生で添えて。
よく考えたら、実家でいつも食べてきたモクズガニ(小川でとれる)は
汚いとか思うことなくむしゃむしゃ食べているのに
田んぼのザリガニを「泥臭そう」「汚いかも」と思うのは妙なことだ。
身の詰まったのもあれば、すかすかに痩せたのもいて、
9月の産卵期より、8月に食べるべきなのかも、と思った。
それでも味は見事にエビの美味しさで、泥臭さもなく、
素揚げで食べたら良かった〜と悔やんだほど。
背中のワタを除き、頭や殻はぜんぶ取っておいて
トマトと一緒にアメリケーヌソースにしたら、これまた絶品!
養殖エビは汚染物質や抗生物質が気になって、作りたくないんだけど
うちの田んぼのザリガニで作るアメリケーヌソースなら、いいかも〜。
動物を食べるということについて、
ちょっとずつ、持続可能な方向を試してゆこうと思います。
大それたことではなく、でも肉食の頻度少なく、ぼちぼちと。
* * * まかない日記 * * *
まだまだきゅうりが実る秋。
本当においしい自然農きゅうりを、余すところなく食べきりたい。
スライスして塩もみしたときに出る水分がもったいなくて
切り干しカブと乾燥ひじきを混ぜ込んで、吸わせてみました。
時々混ぜ返して30分くらい置いておき、仕上げに梅酢をくるーり。
これだけで美味しい和え物のできあがり〜。
これはきゅうり料理の定番化決定です。
ごちそうさまでした♪