2015年08月10日

逃げてと言ったところで

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 もうすぐここは薬が撒かれて
 みんな死んでしまうんやから。

 早く他のところへ逃げなー。

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つくし農園としてお借りしている土地の一部エリアが
地主さんのご意向があって、慣行農の畑に戻ることになった。

執着しても仕方がない、と秋から何度も聞かされた。
人様の土地をお借りしている以上、そういうことは当然だと。

ここ数年、特に豊かになってきたその畑を
夫は更地に戻すべく、全て刈り払い、刈り草を運び出し、
最後にはトラクターで耕して地主さんにお返しする。
(詳しくはこの記事にも書いてあります)

私のにんじん畑も、
夫の草刈り機で全面を刈られたあとは
土を両手で掘り返すだけで簡単に出てくる。

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このあたりは、手でほわほわと掘れるくらい、
柔らかくて豊かな土になっている。
それもここ2年ほどでぐっと豊かになったとのこと。

土を動かすたびに
無数の小さな生き物たちがわらわらと逃げまどう。
アリよりもずっと小さな、砂粒みたいな微生物や
それ以上に小さくて目に見えない数多の生命。



羽のある虫たちは既に棲みかが壊されて、きっと逃げただろう。
足のある虫も、トラクターの地響きを感じて逃げると思う。

でもミミズはトラクターでひとたまりもないだろうし、
土の中の微生物はきっと、土壌消毒で死んでしまう。



慣行農を敵視するわけではない、と書くと心に対して嘘になるけど
間違いなく、折々に、慣行農の恩恵を受けてここまで生きてきた。

だからこんなときに片側に立ってもう一方を指差すことは
ちょっと卑怯だろうな、という後ろめたさがある。


ただ、目の前のふかふかの土と、無数の虫や小動物が
これから消えるのだという確定した未来に、

32歳にして、やっと自分ごととして、
慣行農のしてきたこと、父の勤める農協や農業界のこと、
津波のように自分の中に押し寄せてきた。


土を掘り、ニンジンを拾い集めながら
ずーっとずーっと考えた。


農家さんが野菜を作るのは、お金になるから。
農協が農薬や肥料を売るのは、お金になるから。
企業がそれらの商品を売るのは、お金になるから。

自然農を否定されるのは、お金にならないから。
収穫が多くないとやる意味がない、それは本当なのかな。

ソーラーパネルを設置するのは、お金になるから。
てんぷらカーが増えないのは、お金にならないから。

住宅地とマンションができるのは、お金になるから。
森や林を売り払ってしまうのは、お金になるから。
酸素を生み出し空気を冷やす森や木は、お金にならないから。

お金になるか・ならないかを基準にしなかったら。
100年後の環境が守れるか・守れないかを基準にしてみたら。
子ども達が未来を生きるのに困るか・困らないかを基準にしてみたら。



色んな思いが混じり、濁って、でも捨て鉢にならず、ヤケクソにならず、
静かな希望を抱いていたい、そんな気持ちを写し取ったような夕暮れ。

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* * * お知らせ * * *

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あなたの暮らしは幸福ですか?
それは、どのくらいお金で左右されますか?


今回は参加費を設定せず、ドネーション(寄付)方式で開催します。
この機会にお気軽にご参加いただければ嬉しいです。


* * * まかない日記 * * *

家でミニトマトを切り、ガーリックオイルと塩とお酢でマリネして
畑で仕上げようと思って持ってきた。
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畑のバジルをちょいちょいっと使わせてもらった。
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美味しいパンに挟んで、簡単な夕食。
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陽が落ちる前に片付けて帰宅、お風呂、就寝。
畑で食べるとそれだけ簡単でいい。
posted by miya at 16:17| Comment(0) | 環境 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする