2015年07月30日

うなぎの記憶

先週、土用の丑の日に食べたうなぎ。

いつも遊んでた小川には、うなぎがいっぱいいるから
去年まで、高知の実家からたくさん送られてきていた。
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川の岩かげから、ぬっぬっと顔を出すうなぎ。

ずっと下流、市街地の堤防や枯渇エリアを考えれば
どう考えても海と行き来ができそうもない。

どうして山奥に暮らしているのか、どうやって増えるのか、
どうしても分からないんだけど、身近な存在だった。


子供の頃、一番最初に覚えた捌き方がうなぎの捌き方だった。

首に突き立てた千枚通し(キリ)を渾身の力で押さえ続ける。
しっぽの付け根も同じように千枚通しを突き立てる。

暴れる巨大うなぎには、まな板3枚使って捌いた。
切り身になってもまだピクピク跳ねる様は、凄まじかった。

うなぎの身は白焼きにして、蒲焼きにした。
頭と背骨と尻尾は、油で素揚げにして、塩胡椒で食べた。
パリパリと旨みのある、うなぎ煎餅。


夏祭りは、大量のうなぎをみんなで捕まえる
「うなぎ掴み競争」が当たり前だった。
中学校に行くと、余所はそうではないことを知った。

うなぎを掴むのには首元、えらのすぐ下。
それで前に逃げるから頭のほうに袋を構えれば
だいたいうまく捕まえられた。


高知の山のほうでは、川でモクズガニを捕まえる。

各自オリジナルの、罠みたいな金網のカゴを仕掛ける。
設計にあれこれと苦心するのがおんちゃん達の常だ。

家で食べるうなぎは、捕ろうとして捕れる訳ではなく
モクズガニ用の罠に入ってきてしまう、不運なうなぎ達だ。

魚屋でたっぷりもらってくる、大きなアラに惹かれて
モクズガニもうなぎも、よく捕れる。
そしてカゴの中でエサをたっぷり与えられ、よく肥える。


台風銀座の高知では、川がよく荒れる。

まず川へ「カニを見に行く」のが
これまた山のおんちゃん達の常であり、

「危ないからやめちょき」と止めるのが
山のおばーちゃん・おばちゃん達の常である。

それぐらいカニのカゴは、宝箱なのだった。


ふるさとの夏祭りでは、おんちゃん達がみんなして貯めたうなぎが
文字通り「大放出」されるのである。



去年、天然うなぎが絶滅危惧種になった。
何の冗談かと思ったけど、本当のことだった。

捕らなくすれば守れるのか、と考えたら
護岸工事の施工内容や、堤防の作り自体を
見直さないと無理なんじゃないかなぁと思う。

でも、実際にふるさとの山奥にはうなぎがいる。
そういった研究をしたい人がいたら、
色んな事がわかるかもしれないのだけど。


昨年の秋に禁止されるより前に捕ったものを、
親は食べずにずっと冷凍してくれていた。

これが最後かもしれない。


田舎者の、うなぎの話である。


関連記事:
自然環境を考える絵本(うなぎの棲む小川は、処分場よりも上流)


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posted by miya at 11:28| Comment(0) | 環境 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする